研究課題/領域番号 |
26251044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
曽田 貞滋 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00192625)
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研究期間 (年度) |
2014-06-27 – 2018-03-31
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キーワード | 適応的種分化 / 生態ゲノミクス / 遺伝的基盤 / オサムシ / 適応的形態 |
研究実績の概要 |
オス交尾器の交尾片の伸長に関わる遺伝子の候補として(種間の発現変動遺伝子),QTL領域に存在する遺伝子1つと,昆虫の形態形成経路に含まれる遺伝子2つに注目し,マヤサンオサムシの3齢幼虫へのRNA干渉実験を行った.その結果,形態形成経路の1遺伝子については,さやばねおよびオス交尾器に対する顕著な表現型効果が見られた.ヒメオサムシにおける体サイズ分化の遺伝的基盤の解明に関しては,佐賀県加部島産のヒメオサムシのゲノムをインサート長100bpのペアエンドシーケンス,同2kbpと5kbpのメイトペアシーケンスで読み,アセンブルを行った.しかしヘテロ接合が多く1Mbに満たないscaffold N50しか得られなかった.オオオサムシ亜属の進化過程に関しては,RADシーケンスデータの精査を行い,RADの座位が亜属内のグループごとに変異してグループ間の共有数が変動することや,側所的種間での浸透性交雑による配列共有が顕著に見らることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲノム解読やQTL解析においては概ね当初の計画通り進んでおり,今後は形態分化の遺伝子の探索精度をあげていく段階にある.
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今後の研究の推進方策 |
交尾器の種間差に関する遺伝子の探索については,イワワキオサムシ,マヤサンオサムシ,ドウキョウオサムシのトランスクリプトームデータの拡充・再検討を行うとともに,交尾器形態形成の過程を詳しく調べ,遺伝子発現との対応を明らかにする.体サイズ分化の遺伝子に関しては,QTL領域の成長関連遺伝子の探索を行う.RADシーケンスデータに関しては,種分化と種間交雑の過程を詳細に解析し,論文としてまとめる.
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