研究課題/領域番号 |
26251050
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
綿貫 茂喜 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (00158677)
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研究分担者 |
太田 博樹 北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)
中山 一大 自治医科大学, 医学部, 講師 (90433581)
西村 貴孝 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80713148)
星 良和 東海大学, 農学部, 教授 (70332088)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遺伝子多型 / 生理的多型 / 環境適応 / 生理人類学 / 低酸素 |
研究実績の概要 |
①ヒトのミトコンドリアゲノムから決定されるハプロタイプを、PCR法と制限酵素処理を用いて迅速に決定する方法を用いて、被験者のハプロタイプ識別を進めた。
②被験者47名についてUCP1遺伝子を含む約40Kbの領域のハプロタイプ及びその関連解析を行った。熱産生に優れるとされる多型(抗肥満アレル)を持つ被験者では、寒冷曝露時に有意に熱産生が高かった。さらに詳細な解析を行い、最も産熱能力が高いと考えられるハプロタイプを決定し、1000ゲノムプロジェクトのデータを用いて、緯度とそのタイプの頻度を調べたところ、極めて強い正の相関が得られた。このことは産熱型が緯度の高い地域(寒冷地)で有利だったことを示唆した。
③ミトコンドリアハプロタイプが明らかな被験者において、低酸素曝露時の事象関連電位P300を測定したところ、ハプログループDは他のグループよりもP300の潜時が早いことが明らかになった。潜時が早いということは、低酸素状態でも脳機能がある程度維持されていることを示唆する。ハプログループDは急性高山病に対して抵抗性を持つことが報告されており、本結果もそれを支持した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画は達成されているが、さらに遺伝子タイピングを進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
得られた結果をまとめ、国際誌への投稿を積極的に進める。 共同研究者と供に、成果の取りまとめを行う。
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