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2015 年度 実績報告書

バラ科果樹の休眠および季節的成長制御におけるDAM遺伝子の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 26252005
研究機関京都大学

研究代表者

山根 久代  京都大学, 農学研究科, 講師 (80335306)

研究分担者 田尾 龍太郎  京都大学, 農学研究科, 教授 (10211997)
羽生 剛  愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (60335304)
高居 恵愛  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70589770)
伴野 潔  信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (80127125)
河井 崇  京都大学, 農学研究科, 助教 (90721134)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード果樹
研究実績の概要

前年度までに、ウメ花芽の休眠覚醒には植物ホルモンのうちABAが特に顕著な働きをもつことを示す結果を得た。そこで今年度は、低温蓄積がウメ花芽のABAおよびその代謝物内生量に与える影響を調査し、休眠深度との関連性を考察した。その結果、多低温要求性品種である南高では、低温蓄積にともないABAが減少し、ABA代謝物であるファゼイン酸(PA)内生量が増加した一方、少低温要求性品種である二青梅では、低温遭遇初期にABA, PA内生量が急激に減少した。両者の休眠覚醒時期とABA内生量とはよく同調していた。以上の結果より、多低温要求性品種では低温遭遇にともない徐々にABA代謝が活発化しABA内生量が減少していくが、少低温要求性品種では低温遭遇直後にABA生合成自体が抑制されABA内生量が減少している可能性が示唆された。すなわち、ABA生合成や代謝活性の違いがウメの低温要求量の多少に関与していることが示唆された。
次に、リンゴの休眠覚醒に関わる新規候補遺伝子を単離するため、トランスクリプトーム解析をおこなった。休眠芽において低温蓄積に伴い相関をもって量的に発現変動する遺伝子を探索した結果、6つの遺伝子が単離された。そのうちの3つはMADS-box遺伝子をコードしており2つはGDSL esterase/lipaseをコードしていた。残る1つはアノテーションがつかなかった。
今年度は、前年度とは異なる分離集団を用いてGBSライブラリーを作製し、連鎖地図を構築した。来年度は異なる2つの集団においてQTL解析をおこない、低温要求性や萌芽・開花に関与する遺伝子座を同定する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ウメの休眠覚醒に関わる植物ホルモンの関与をホルモノミクス解析から明らかにできた。また、リンゴの休眠覚醒に関わる新規転写因子の単離に成功し、DAM遺伝子以外の因子がリンゴの休眠に関与することを示す結果を得ることができた。当初の予定以上の成果が得られている。一方、QTL解析については、連鎖地図の構築はできたが、QTL探索に用いるソフトの選定に時間を要し、今年度でのQTL同定はできなかった。総じて、順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後は、DAM遺伝子の役割を形質転換実験から明らかにし、DAMと植物ホルモンとの関わりを解明するとともにQTL解析を実行する。
また、リンゴ新規休眠制御候補因子について機能解明を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Simultaneous down-regulation of DORMANCY-ASSOCIATED MADS-box6 and SOC1 during dormancy release in Japanese apricot (Prunus mume) flower buds.2016

    • 著者名/発表者名
      Kitamura, Y., T. Takeuchi, H. Yamane and R. Tao
    • 雑誌名

      J. Hort. Sci. Biotech.

      巻: 91 ページ: 476-482

    • DOI

      10.1080/14620316.2016.1173524

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 自発休眠覚醒期のウメ花芽における植物ホルモン含量の変動2016

    • 著者名/発表者名
      北村祐人・山根久代・高居恵愛・田尾龍太郎
    • 学会等名
      園芸学会平成28年度春季大会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-27
  • [学会発表] 低温要求性遺伝子座同定に向けたウメ連鎖地図の構築2016

    • 著者名/発表者名
      山根久代・羽生 剛・祖父江拓哉・河井 崇・中崎鉄也・北島 宣・田尾龍太郎
    • 学会等名
      園芸学会平成28年度春季大会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-27
  • [学会発表] サクラ属果樹の休眠制御機構に関する研究2015

    • 著者名/発表者名
      山根久代
    • 学会等名
      園芸学会平成27年度秋季大会
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      2015-09-26 – 2015-09-28
  • [学会発表] DORMANCY-ASSOCIATED MADS-box-like遺伝子の発現解析2015

    • 著者名/発表者名
      竹内貴規・伴野潔・山根久代・田尾 龍太郎
    • 学会等名
      園芸学会平成27年度秋季大会
    • 発表場所
      徳島大学
    • 年月日
      2015-09-26 – 2015-09-28
  • [学会発表] 温帯果樹の休眠制御に関与するDORMANCY-ASSOCIATED MADS-box遺伝子群の解析2015

    • 著者名/発表者名
      山根久代
    • 学会等名
      日本育種学会第128回講演会
    • 発表場所
      新潟大学
    • 年月日
      2015-09-11 – 2015-09-12
  • [図書] Functional characterization of Japanese apricot (Prunus mume) DORMANCY-ASSOCIATED MADS-box1 (PmDAM1), a paralog of PmDAM6, using Populus transformants. In: J. V. Anderson (ed.). Advances in Plant Dormancy. Springer, Switzerland.2015

    • 著者名/発表者名
      Yamane, H. and R. Tao
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2018-01-16  

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