研究課題
平成26年度は以下の3課題を予定通りに進めた。① 抗体作成と免疫沈降による複合体構成タンパク質の選抜: 先に単離した ACRSmRNA 結合タンパク質AmBP30 と相互作用するタンパク質の中からPppIタンパク質に着目し、その配列からエピトープになり易いと推測された部分アミノ酸配列の合成ペプチドをキャリアタンパク質に架橋して、その合成ペプチド架橋タンパク質を抗原として抗体を作成した。次に、この抗体を用いて毒素非感受性品種リスボンの精製ミトコンドリア画分から免疫沈降後、沈降タンパク質をTOF-MS 解析(UltraFlexIII使用)により同定した。同定したタンパク質群の中から、Ribonuclease NYN domain保有タンパク質、Rpp14/Pop5ファミリータンパク質を選抜した。② 免疫沈降・酵母 two hybrid・BiFC 法によるAmBP30 複合体タンパク質群の特定: ①で選抜したibonuclease NYN domain保有タンパク質、Rpp14/Pop5ファミリータンパク質(Pop5aおよびPop5c)と、PppIまたはAmBP30との相互反応を酵母 two hybrid法で検定した。その結果、PppIはRpp14/Pop5ファミリータンパク質(Pop5aおよびPop5c)と結合することが明らかになり、さらにPop5cはAmBP30とも結合した。③ ACR毒素・ACT毒素生合成遺伝子クラスターの詳細解析と他毒素クラスターとの比較解析: ACR 毒素生合成に関与するthioesterase をコードするACRTS3 遺伝子の解析が完了し、標的遺伝子破壊法とサイレンシング法で、本遺伝子機能を欠損させると、ACR毒素生産が停止することを明らかにした。現在、成果の論文化を進めている。また、ACTTS1&4遺伝子の解析も完了し、論文化を進めている。さらに、ACT毒素と共通の部分構造を持つAK毒素・AF毒素生産菌間の遺伝子比較研究で、これらの毒素生合成遺伝子制御に関するAk毒素生産菌の遺伝子のACT毒素生産菌ゲノムでの分布を検定した。
2: おおむね順調に進展している
本年度計画していた研究はすべて順調に進み、一部は論文化を始めている。
現時点で特に問題点はないため、当初予定通りに次年度以降も研究を推進する予定である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件)
Journal of General Plant Pathology
巻: 80 ページ: 109-122
10.1007/s10327-013-0498-7
New Phytologist
巻: 202 ページ: 1297-1309
10.1111/nph.12754