研究課題
・ 土壌生成プロセスの進行と放射性Cs固定能の関係解明平成26、27年に埋設したCs固定黒雲母試料のうち、埋設から3年(京都×1地点、福島×2地点)または2年(アメリカ・ジョージア3地点、アリゾナ3地点)経過後のものを回収し、XRD分析,セシウムの連続抽出および放射光分析を行い、層間に残留するCsの化学状態について調べた(マレーシアの試料は損傷が大きかったため未測定)。2年目の試料を分析した結果、どの地域でも層間に固定されたセシウムの8割以上が残存しており、残存するセシウムのほとんどは1M 硝酸でも抽出できない「固定態」を保っていた。また、EXAFS振動の解析を行った結果、ほぼ全てのCsが内圏錯体型を保っていることが確認されたため、湿式化学分析と非破壊放射光分析の両面からセシウムの層間固定による高い残留性を実証することが出来た。・ 放射性 Cs の土壌‐植物間移行係数(TF)の測定福島県の農耕地から鉱物組成(主に雲母の量と構造タイプ)が大きく異なる土壌試料9点を採取し、イネ栽培試験を行うことで137Cs(放射性)と133Cs(非放射性)の移行係数TFを算出するとともに、同じ土壌試料について放射性セシウム捕捉ポテンシャル(RIP)を含む土壌特性の分析を行い、TFの規定要因を調べた。その結果、土壌タイプに大きな違いがあるにもかかわらず137CsのTFと133CsのTFは高い正の相関(r = 0.98)を示したため、133Csを指標として137Csの土壌-植物間移行を調べる方法が広く応用できることが実証された。つまり、平成28年度に全球的土壌試料について求めた133CsのTFとその規定要因に関する結果は、そのまま137Csの挙動予測に応用できると考えられる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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