主要な脂質メディエーターのひとつであるプロスタグランジンD2 (PGD2) は、さらなる代謝を受けて、J2型PG類へと変換することが知られている。本年度は、PGD2代謝産物の詳細な解析を行った。逆相カラムとキラルカラムを直列に接続することにより、類縁体の分離も可能となり、血清アルブミン依存的に産生される主要な代謝物としてΔ12-PGD2を新たに見出し、生体サンプルからの検出にも成功した。さらに、Δ12-PGD2に対するモノクローナル抗体を樹立した。また、脂肪酸アミド類定量のためのサンプル調製法と質量分析装置を用いた安定同位体希釈法を確立し、実際にマウスやヒトの血清サンプルからの検出・定量に成功した。
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