研究課題
1.生殖形質の解析: 養成雌雄親魚とF4(完全養殖第4世代)人工雌親魚を海水で低水温飼育した結果、養成親魚は雌雄とも性成熟を開始したが、人工雌親魚では性成熟の進行は認められなかった。その原因は輸送ストレスと推察されたが、低水温処理開始前の人工雌親魚において卵巣発達に個体差のあることが確認できた。性分化期の天然ウナギを189個体採集して、形態的性分化過程をほぼ明らかにすることができた。2.味覚・嗅覚機構と変態機構:仔魚期の味覚嗜好性について個体行動観察系による検討法を確立し、嗜好性物質への応答が仔魚の行動により検出できることを示した。またその行動の持続性は嗜好性物質の濃度依存的に変化することが分かった。3.飼育水温の検討:内部栄養から外部栄養に切り替わる初期仔魚の飼育最適水温について検討したところ、初期には27℃の高水温で最大の生残・高成長を示すが,高温では活発な遊泳と摂餌活動による代謝が大きく,約一ヶ月後には23-27℃の全区でほぼ同様の体成長となることが分かった。4.高成長・早期変態の遺伝マーカー:仔魚期間の短縮に向けて、BLUP法で全長と体高の遺伝率を推定すると、約0.6となった。各形質の育種価を推定し、上位個体の家系を調べたところ、育種価上位個体はF4を親に持つ一部家系に偏っていた。その家系が保持する高育種価の遺伝要因を1家系のQTL解析よりにより探索し、雄親(F4)から2座、雌親から6座のQTL候補領域を検出した。5.新規初期飼料の開発と飼育方法の改善:卵白ペプチドをベースにキチンオリゴ糖、クリルオイル、ビタミン、ミネラルの必要栄養素で構成されるボトムアップ型の人工餌を開発し、従来のサメ卵主体餌の約70%程度の成長を示すことを確認した。餌の粘度を極端に下げた液体餌を用いると従来餌の成長を上回り、1.1倍から3.2倍多くのシラスウナギを生産できることが分かった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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