鱗翅目昆虫は、分散型動原体と呼ばれる特異な染色体を持つことが知られている。本研究では、分散型動原体形成の分子基盤を明らかにするとともに、遺伝子ネットワーク解析から、新たに6つのカイコに特異な動原体遺伝子を見出した。またその成果と、複製関連遺伝の解析結果をもとに、DNA複製因子と動原体タンパク質を結合させることで機能する初期型の人工染色体を合成した。 一方、ゲノムワイドな遺伝子発現制御とクロマチン構造の分子基盤については、特に、ヒストンのアセチル化、脱アセチル化酵素に着目し、これら遺伝子について機能阻害実験などを行った結果、カイコでは、HDAC8が非常に重要な働きを担っていることを明らかにした。
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