研究課題
Pin1による基質リン酸化タンパク質の構造変化について解析する目的で、FRETを応用した。Pin1自身の構造変化をみるPin1-FRETと代表的なPin1の基質であるc-mycの構造変化を見るMYC-FRETの作成を行った。どちらもin vitroでの相対的な測定は可能なものができたが、まだ測定の絶対値が低く細胞への応用は不可能である。Tauの構造変化を測定するTau-FRETはTauのリン酸化の制御が難しく再現性のある結果が得られていない。繰越金をお認めいたき研究を行ったのは本研究の過程でTauの凝集をPin1類似タンパク質が制御している可能性があるという結果を得たからである。本研究はアルツハイマー病治療にきたいできるものであり現在も詳細な検討を行っている。Tauには多くのリン酸化部位があるので実験は大変難しいが重要なテーマであるので着実に研究をおこなっている。 一方、副産物であるが大きな成果もあげた。この研究の過程で加齢疾患に関与する。Pin1は、血管内皮細胞や神経細胞で、一酸化窒素産生酵素の分解や活性制御に関与していることが報告されている。広義の活性酸素であるNOは循環器や脳や神経の疾患と関連がある。この研究を進めるためにはNOをリアルタイムで想定する方法が必要であると考えた。我々は根粒菌の硝酸センサーシステムに関与するタンパク質が応用できることを見出した。根粒菌のシステムを応用した細胞内での測定系を構築し、現在詳細な検討を行っている。マウス各器官でのPin1関連分子群の発現をWestern blotで調べた。Pin1-KOマウスではPar14の発現が低下しており、Pin1の機能をPar14が相補している可能性が考えられた。Tauの微小管重合促進能および凝集とPin1、Gas7bがどのように関係しているのかについて検討を行っている。Crisper/Cas9システムを用いてPin1欠損、Par14欠損、両遺伝子ともに欠損の3種類の細胞を作成している。
1: 当初の計画以上に進展している
Pin1による基質リン酸化タンパク質の構造変化について解析する目的で、FRETを応用し、Pin1自身の構造変化をみるPin1-FRETはin vitroでの測定が可能となり、Pin1阻害剤とPin1の結合をPin1の構造変化でリアルタイムで検出することを可能にした。Tauの凝集をPin1および類似タンパク質のGas7bが変化させていることを見出した。現在詳細な検討を行っている。本研究はアルツハイマー病治療に応用が期待できるものであり詳細な検討を行っている。さらに、Pin1は、血管内皮細胞や神経細胞で、一酸化窒素(NO)産生酵素の分解や活性制御に関与していることが報告されている。広義の活性酸素であるNOは循環器や脳や神経の疾患と関連がある。この研究を進めるためにはNOをリアルタイムで想定する方法が必要であると考え、根粒菌の硝酸センサーシステムをまず明らかにした。このセンサータンパク質でFRET系を作成し細胞内の硝酸を測定できる可能性を見出した。硝酸はNOの代謝産物でありNOの半減期が短いことからほどNOと同一のものとみなされているので実質的なNOのリアルタイムイメージングを可能にする方法になると期待できる。マウス各器官でのPin1関連分子群の発現を調べ、Pin1の機能をPar14が相補している可能性を示した。Par14は申請者が発見した分子でありその機能の解明は独創性が高い。Crisper/Cas9システムをいち早く取り入れ速やかに研究を進めている。
Pin1-FRET解析法の感度を高め、in vitroでPin1と基質との相互作用を定量的に解析できるシステムにする。根粒菌の硝酸センサーシステムタンパク質でFRET系を作成し細胞内の硝酸を測定できる方法として完成させる。Pin1の機能として、間葉系幹細胞の未分化の維持とまた分化促進作用について明らかにする。Pin1と加齢疾患の関連では、心疾患、癌(薬剤耐性)、糖尿病、肥満に関して検討する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 1件)
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