研究課題
申請者は最近、イノシトールリン脂質群(PIPs)の高感度定量技術を独自に開発・活用し、PIPsとして約20年ぶりの発見となる、複数の新規PIPsを見出した。これらの研究成果を展開するかたちで、新規PIPsの生成、分解機構と生理機能を解明する独創的な学術研究を本基盤研究で一気に推進し、新しい研究分野の開拓と医薬開発の礎となる知見を、世界に先駆けて得る。① マウスがんモデルにおいて大きく変動する、特徴的なアシル基をもつイノシトールリン脂質が、多くの癌でgain of functionの変異が認められるI型phosphoinositide 3-kinaseの活性に依存して、細胞内に産生されることが明らかとなった。一方分解系については、癌抑制遺伝子産物PTENを含む10種類の脂質脱リン酸化酵素の培養細胞で高発現させ、脂質レベルの変動を解析し、4種類の酵素の関与を見出した。② 7種類の新規グリセロリン脂質について、精密質量測定ならびに粗精製合成品とのカラムクラマトグラフィーでの挙動の一致をもって、特許を申請した。③ ②とは別に見出した新規グリセロリン脂質については、精密質量測定により候補となる物質構造を3種類に絞った。そのうち2種の候補物質の合成品については、内在性新規脂質とのクロマトグラフィー上の挙動は一致しなかった。残る候補物質について、合成と検証を進めている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件) 産業財産権 (2件)
Sci Rep
巻: 7 ページ: 45050
10.1038/srep45050
JCI Insight
巻: 2 ページ: e89462
10.1172/jci.insight.89462
Innate Immun
巻: 6 ページ: 444
10.1177/1753425916652714
医学のあゆみ
巻: 257 ページ: 1211-1215