本研究では、ZAP-70シグナル強度を量的・質的に調整可能なシステムの開発により、胸腺における自己免疫性T細胞の発生またはT細胞発生不全にいたるZAP-70シグナル強度域を明らかにした。即ち、ヒトの免疫不全症候群および自己免疫疾患の発症要因の理解に良いモデルを確立した。また、自己免疫性関節炎の病因に関わる新規自己抗原スクリーニングシステムを確立し、RPL23A反応性単クローンTCRをもつT細胞が乾癬様皮膚炎および関節炎惹起に十分であることを明らかにした。さらに、ヒト関節リウマチ患者群から抗RPL23A自己抗体が検出でき、臨床的にも新規疾患バイオマーカーとして意義を見いだした。
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