研究課題
(1)技術開発平成26年度に引き続き,OHクラスターの定量性を確実にするため,レーザー誘起蛍光法(LIF)と大気圧イオン化質量分析装置を組み合わせた活性酸素の定量分析を可能にすることを目的とした.このためレーザー発光・誘起蛍光検知・解析システム・手掌チャンバーを試作し,水銀ランプを用いたOH・発生装置を製作,LIFによる較正を行い,APIMSスペクトルと対比させ,皮膚ガス中におけるROS活性の定量法にむけた準備を行った.その準備段階としてOHラジカルに特異性のある周波数帯をもつ小型レーザー発振装置を採用し,小型LIFシステムの試作し,皮膚表面から放出の計測に成功した.引き続き,それらの開発技術の評価試験を行い,平成28年度からのAPIMS-LIFを組み合わせたシステム構築に向け準備を進めた.(2)臨床試験種々の生活習慣が水素消費量・ROS生成量に与える影響:成人を対象に早朝空腹状態・食後2時間におけるLIF・APIMSによる直接計測ならびに水素ガス吸入による間接的計測法を用いたROS計測を実施した.ROS計測値は他の酸化ストレスマーカ,静脈血一般検査/生活習慣(喫煙・飲酒・睡眠・運動・ストレス・食生活習慣など)との関連も探索した.②運動時ROS生成量の推定:前年度の予備的検討をもとに運動時の水素ガス吸入を伴う運動時水素ガス摂取量の連続計測を実施した.
3: やや遅れている
APIMSデータの定量性を持たせるための小型LIF制作に時間を要し,両者を連結させるところまでに至らなかった.今後,小型LIFの最終仕様を決定し,APIMSとの連結したシステム構成を行う必要がある,また,臨床試験3項目のうち,疾患患者を対象とした活性酸素計測が心不全患者の呼気水素計測にとどまり,活性酸素の計測には至らなかった.今後,さらに疾患範囲を広げて行く必要がある.
(1)技術開発:試作した小型レーザ誘起蛍光システムを大気圧イオン化質量分析システムと連結し,APIMSによる活性酸素定量につなげ,臨床使用可能なレベルに到達する.(2)臨床試験:呼吸循環疾患をもつ被験者を対象とし,独自開発技術の臨床的有用性を検証する.さらに特に呼気中におけるROSは主に口腔/上気道に由来すると考えられるため,口腔内衛生環境の関連因子も追加検討項目に入れた臨床試験を実施する.(3)解析:H28年度までに得られた疫学調査データを固定し解析する.これにより当初の活性酸素に関する仮説を検証する.
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