研究課題
【目的】(1)呼吸循環疾患への応用:種々の被験者を対象とし,独自開発技術の臨床的有用性を検証する.特に呼気中におけるROSは主に口腔/上気道に由来すると考えられるため,口腔内衛生環境の関連因子も探索する.(2)生体ガスによる活性酸素計測法の疫学調査への応用 ①「生体ガスのコホート調査」への活性酸素種検査項目の追加 短時間計測可能な独自ROS計測法を選別し,ROS計測項目を追加させ,診断的中精度を高める.他方,生体ガス採取法の国際標準化を見据え,呼気採取と皮膚ガス採取法の比較を実施,ガス採取簡易化の妥当性を検証する.②H28年度末までに得られたコホート初期断面調査データを固定し,第一次断面調査結果を解析する.【成果】(1)生体ガスにおける活性酸素の直接計測法の開発:すでに申請者らはレーザ誘起蛍光法を利用して皮膚ガス中に活性酸素が放出されることを報告している.その際,大型のOPOレーザを利用していたため装置全体がかなり大掛かりになっていたため,市販の半導体レーザと検出器を組み合わせたLIFを開発し,最適条件を検討したところ,皮膚ガス活性酸素の検出のための時間分解能とS/N比が大幅に改善した.呼気中活性酸素も検出可能となった. (2)生体ガスによる活性酸素計測法の疫学調査への応用:①「生体ガスのコホート調査」への活性酸素種検査項目の追加:これまでに蓄積した1000人の被験者を対象とし,後ろ向きに大気圧イオン化質量分析結果を解析したところ,アンケート調査により得られた疲労に関連して有意に増減するm/zが5種類明らかとなった.APIMSにはライブラリーはないため化合物の特定は次年度以降に持ち越すことになったが,ピーク指示m/z値から活性酸素に関連する物質であることが推察された.
2: おおむね順調に進展している
研究代表者の移動時期に重なったため臨床試験の再立ち上げに時間を要し,臨床データの取得は満足すべき成果が得られなかった.しかしながら,技術開発とデータ解析からは有意義な成果が得られたものと考えている.
(1)呼吸循環疾患への応用種々の疾患を対象とし,独自開発技術の臨床的有用性を検証する.さらに特に呼気中におけるROSは主に口腔/上気道に由来すると考えられるため,口腔内衛生環境の関連因子も探索する.(2)生体ガスによる活性酸素計測法の疫学調査への応用①生体ガス分析の対象ガス種に活性酸素種検査項目の追加 短時間計測可能な独自ROS計測法を選別し,ROS計測項目を追加させ,診断的中精度を高める.他方,生体ガス採取法の国際標準化を見据え,呼気採取と皮膚ガス採取法の比較を実施,ガス採取簡易化の妥当性を検証する.②取得した生体ガス調査結果を固定し,解析手法を拡大する.これにより当初の仮説:①「生体微量ガス成分中の代表的な低分子化合物により代表的疾患の鑑別診断が可能である」,②「生体微量ガス成分スペクトラムにより種々の生活習慣が推定できる」および③「生体微量ガス成分スペクトラムにより生活習慣病など種々の疾患発症予測が可能である」に加え,④「生体ガス中の活性酸素種は生体内活性酸素を反映する」,⑤「独自ROS計測法により酸化ストレス関連疾患の発症予測が可能である」ことを検証する.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
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