研究課題
初年度、第2年度に実施した愛知県がんセンターにおける全ゲノム関連解析(Phase I)において、飲酒行動と全ゲノムレベルで有意に関連を示す遺伝子多型は既知のALDH2 rs671のみであった。またこの遺伝子多型を考慮した上で、さらに全ゲノムレベル有意に関連を示す遺伝子座も認められなかった。以下の二つのアプローチに基づき、検討を実施した。①rs671は既存研究でも報告されており、当初計画で想定していたPhase IIの検証研究をスキップし、rs671との関連検討並びに飲酒との各種疾患リスクに対する交互作用の検討を行った。②Phase I研究を行う飲酒に関する対象集団を日本多施設共同コホート研究(J-MICC)の横断研究GWASデータを追加し、新規遺伝子座を明らかにする。①に関して、昨年度報告した膀胱がんリスク(Masaoka et al. Carcinogenesis 2016)、頭頸部・食道がん(Koyanagi et al. Eur J Cancer Prev 2016)に加え、乳がん・卵巣がんに関して、乳がん疫学研究国際コンソーシアム(BCAC)、卵巣がん疫学研究国際コンソーシアム(OCAC)との共同研究として、ALDH2多型、飲酒習慣との関連に関して検討を行い、遺伝子環境要因交互作用が存在しないことを確認した。またALDH2が喫煙行動と関連することを新たに見いだした(Masaoka et al. Nicotine Tob Res 2016, Drug Alcohol Depend 2017)。②に関しては粗解析の段階で明らかな遺伝子座が認められないことを確認し、本アプローチによる更なる研究トピックの追究が難しい事を確認している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Cancer Sci
巻: 108 ページ: 91-100
10.1111/cas.13115.
Nicotine Tob Res
巻: 未定 ページ: 未定
Drug Alcohol Depend
巻: 173 ページ: 85-91
10.1016/j.drugalcdep.2016.12.015
Int J Cancer
巻: 140 ページ: 1976-1984
10.1002/ijc.30618.
Hum Mol Genet
巻: 26 ページ: 454-465
10.1093/hmg/ddw414.
Carcinogenesis
巻: 37 ページ: 583-585
10.1093/carcin/bgw033
Brit J Haematol
巻: 175 ページ: 457-461
10.1111/bjh.14243