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2017 年度 実績報告書

モンゴル東部新発見の突厥碑文調査と遺跡保護に関する考古学・歴史学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26257008
研究機関大阪大学

研究代表者

大澤 孝  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (20263345)

研究分担者 鈴木 宏節  青山学院女子短期大学, その他部局等, 助教 (10609374)
白石 典之  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40262422)
山口 欧志  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, アソシエイトフェロー (50508364)
松川 節  大谷大学, 文学部, 教授 (60321064)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード東部モンゴル / ドンゴインシレー碑文遺跡 / 突厥時代 / 石積み方形基壇遺跡 / 修復と保存 / ドローン撮影 / 放射性炭素年代測定法
研究実績の概要

本年度もモンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所との協定書に基づき、東部モンゴルのドンゴイン・シレー碑文遺跡を上記研究所と共同発掘調査を実施した。今年度では、ドンゴインシレー碑文遺跡の中央部の盗掘された箇所の穴を掘り進め、深さ7,5mまで掘り進んだ。その際、既に地層は原型をとどめておらず、上層におかれていたサルコファグスの一部断片が7m近くの箇所で放置されており、未だこの穴がどの程度まで達しているのか確認しきれなかった。また本遺跡の中央を取り巻く周溝を掘り進めた。その結果、今まで原位置が不明であった碑文のあった箇所らしき形跡のある箇所を見いだしたが、なお、仮説の域を出ていない。また昨年度に掘り出した動物骨を放射性炭素年代で計測した結果、トレンチ溝の北側にでた深さ1,4mから出土した動物骨断片からは紀元後8世紀代のものであることがわかったものの、それ以外の中央穴から出た松の皮の年代は19世紀であり、また中央の穴を取り巻いていた深さ4mの地点から出土した動物骨断片は19世紀、そして東南側の地区から出土した動物骨は14世紀頃のものと言う数値がでた。このように本遺跡はその建設以来、各時代の遺物が集積した上で、盗掘のために地層が攪乱されている状態であることが窺われた。本遺跡の碑文については、3D撮影をおこない、より確実な読みができるような作業を実施した。そして、今後の本遺跡の修復と保存について様々な観点から議論した。またこの遺跡の北側7.5km地点にあるもとの川筋の地点には何世紀のものかは不明であるが、石積みの方形基壇4基を新たに発見し、その状況をドローン撮影した。また、南東14kmの地点に位置する石人遺跡のマウンドについても、試掘した。さらにはドンゴインシレー遺跡の北10km地点に位置するデルゲルハーン山の地点からは、本遺跡の碑文として切り出された場所を、一部ながらも特定できた。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

備考

本プロジェクトの発掘成果については、2017年12月8日に大阪大学でプレスリリースを行った。その結果、朝日、毎日、読売の新聞各紙、共同通信、時事通信など地方新聞の他、海外でもNewsweekや各国のメデイアサイト44箇所で大々的に報道されている。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 図書 (1件) 備考 (5件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] モンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所(モンゴル国)

    • 国名
      モンゴル国
    • 外国機関名
      モンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所
  • [雑誌論文] 「東部モンゴルの古代突厥時代の歴史・考古学調査プロジェクト内での2017年に行った作業について(モンゴル語)」2018

    • 著者名/発表者名
      B.ツォグトバータル、N.エルデネ・オチル、G. ルンデフ、大澤孝、B. バトダライ、G.アンガラグドルグン、E.アマルボルド
    • 雑誌名

      モンゴル考古学 2017

      巻: 1 ページ: 124-128

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 「モンゴル東部地域のドンゴイン・シレ-遺跡の古代突厥の歴史・考古学的研究史上における位置と意義について(モンゴル語)」2017

    • 著者名/発表者名
      Takashi OSAWA
    • 雑誌名

      モンゴル東部域の考古学の研究、保存と修復に関する国際会議

      巻: 1 ページ: 40-51

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Old Turkic Monuments in the Southern Siberian Steppe from the Viewpoints of the Cultural Conservation and Respectful Maintenance2017

    • 著者名/発表者名
      Takashi Osawa
    • 雑誌名

      (Ed.) A. Semih Guneri, Yasar Coskun'a Saygi Yazilari

      巻: 1 ページ: 249-288

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Acceptance of Syrian Christianity by the Ancient Turks in Central Asia in the Sixth and Seventh Centuries, and the Stone Sculptures Reflecting Their Beliefs2017

    • 著者名/発表者名
      Takashi Osawa
    • 雑誌名

      H. Teule, E. Keser-Kayaalp, K. Akalin, N. Dorum & M.S. Toprak (eds), Syriac in its Multi-cultural Context, Eastern christian Studies 23

      巻: 23 ページ: 81-106

    • 査読あり
  • [図書] Archaeological Study at the Memorial site of Dongoin Shree, Result of the archaeological excavations of the project <Ancient Turkic Historical and Archaeological research in the Eastern Mongolia in 2015-2016>2017

    • 著者名/発表者名
      B.ツォグトバータル、N.エルデネ・オチル、大澤孝、G. ルンデフ、斉藤茂雄、B. バトダライ、E.アマルボルド、G.アンガラグドルグン
    • 総ページ数
      152
    • 出版者
      Choloot Khevdel Sang press
    • ISBN
      9789997808233
  • [備考] 石碑で囲んだ王族の墓 突厥のモンゴル東部拠点か 阪大

    • URL

      https://my.osaka-u.ac.jp/relative-news/9ekd37

  • [備考] 石碑で囲んだ王族の墓 突厥のモンゴル東部拠点か 阪大

    • URL

      https://r.nikkei.com/search?keyword=%E5%A4%A7%E6%B2%A2%E5%AD%9D&n_cid=SPTMG040

  • [備考] Ancient Monument in Asia...

    • URL

      http://www.newsweek.com/east-asia-ancient-monument-reveals-hidden-stone-sarcophagus-inscribed-753094

  • [備考] 突厥、巨大碑文14本 8世紀、王侯の墓か モンゴル:朝日新聞デジタル

    • URL

      https://www.asahi.com/articles/DA3S13266022.html

  • [備考] 共同通信:石碑で囲んだ王族の墓発掘、阪大 - ロイター

    • URL

      https://jp.reuters.com/article/idJP2017120801002116

  • [学会・シンポジウム開催] 国際シンポジウム『モンゴル考古学のいま』大阪大学言語文化研究科主催、モンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所後援、2017年12月10日、大阪大学中之島センター講義室403.2017

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公開日: 2021-12-27  

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