研究課題/領域番号 |
26257211
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清川 昌一 九州大学, 理学研究院, 准教授 (50335999)
|
研究分担者 |
山口 耕生 東邦大学, 理学部, 准教授 (00359209)
田中 亮吏 岡山大学, 惑星物質研究所, 准教授 (00379819)
堀江 憲路 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (00571093)
伊藤 孝 茨城大学, 教育学部, 教授 (10272098)
後藤 孝介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30612171)
尾上 哲治 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60404472)
菅沼 悠介 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (70431898)
池原 実 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 教授 (90335919)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 古原生代 / 大酸化事変 / グリーンストーン帯 / 黒色頁岩 / 縞状鉄鉱層 / スノーボールアース / 海洋性島弧 |
研究実績の概要 |
2016年度 1)ガーナ掘削(GHBプロジェクト):コア解析のために,5月の連合大会でまず国内ミーティング, 6月2度のコアカッティングを高知コアセンターにて行い,層序柱状図を作成してきた.現在詳細な薄片作成作業を行っている.ここでは200mのコアが取得されており,海岸地域におけるベリミアン・グリーンストーン帯の最上部層に当たる.この地層は全体層序(オフィオライト)の中でも最上部の地層であり,GOE(大酸化事件)が起こったこの時代の海洋底状態を示している.この中に出てくる炭素・硫黄の同位体がどのように変化するかを明らかにする. 2)カナダ・18億年前の海底環境復元:7月フリンフロン調査,8月ケープスミス調査を行い,連続コア試料についての記載およびサンプリングを行った.現在薄片作成を行い炭素,硫黄同位体の測定を行っている.フリンフロンでたトータルで400mのコア試料の記載およびサンプリングを行った.ケープスミスでは2カ所の大陸棚上で堆積した黒色頁岩層についての連続サンプリングを行った. 3) 9月南アフリカでのIGCで成果発表,12月AGUで成果発表 どもにガーナで掘削した岩相記載の成果発表を行った. 4)3月 第4回geoscience symposium プレカンブリアンワールド2017を企画開催し,11カ国50人の外国人を含む150名の参加する国際シンポジウムを福岡で開催した.そこで,これまでの成果報告を行い,今後の計画およびプロジェクトを詰めた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
16年度は1)ガーナプロジェクト:掘削コアが高知に到着し,半割することができた.薄片,分析を行っているが,岩石が硬いことなどで試料作成に時間がかかっている.2)カナダプロジェクト;フリンフロン帯では今まで途中までで残していたコア試料をすべて記載・サンプリングができた.ケープスミス帯でのコア試料も2カ所についてコアを取得することができ,試料も日本に送られてきた.現在,薄片・分析を行っている.3)3月に国際シンポを企画しており,これに関しても予想よりも多くの150人が参加し,海外からも11カ国から集まってもらえた.大成功であり,現在特集号の作成を企画中である.
|
今後の研究の推進方策 |
1)ガーナコア: 掘削試料の薄片,分析をおこない,当時の海洋底の生物生産量や硫黄同位体による硫酸還元菌の活動度と海底の状態の解明を急ぐ. 2)カナダプロジェクト:本年度は最終年度で,チェックと今後の発展性をかねて,トランスハドソン変動帯についての調査を行う.取得したコア試料の炭素・硫黄同位体のデータを取得して,その挙動変化を明らかにし,原生代中期の海洋環境を復元する. 3)成果発表を連合大会・地質学会・AGUで行う予定である.
|