研究実績の概要 |
モンゴル国(外モンゴル)における地下資源開発は、大規模な開発と小規模なものがある。主な水銀による環境汚染場として、①大規模鉱山開発地域、②小規模金採掘地域、③金採掘現場の再生地域、④ウランバートルの大気汚染がある。その媒体は、大気、水、植物、土壌に広がっている。一方、内モンゴルでは、⑤地下水および表層水等を調査した。最終年度の2018年度は、過去4年間に得たデータのうち、解析が十分でなかった部分について、解析を行い、学会発表を行うとともに、論文投稿の準備を行っている。過去4年間に遂行した上記①から⑤について行った課題の具体的な観測は、以下のとおりである。①タバントルゴイ(石炭露天掘り)、オユトルゴイ(銅、金鉱山)の大気、周辺地下水調査、②ザーマル地域にあるニンジャ村での大気、水質調査、③ザーマル地域の鉱山再生地域の地下水および土壌調査、④ウランバートルのPM2.5、大気中水銀調査、⑤M村全域での地下水調査である。これらのデータをもとに、環境リスク解析を行い、解決策を提示する方法を検討した。さらに無機フッ素の羊骨炭処理方法について検討した。この羊骨炭については、M村の副村長は、非常に興味を示し、簡易処理装置も村に持ち帰ったが、現時点では、村人が家族同然の羊の骨を使うことに抵抗を示し、実用化されてない。 さらに、フィールド活動として、2018年度は、2017年に改良したモバイル型水銀計を用いて、モンゴルを含む東アジア大陸からの我が国への水銀の越境輸送について旧コロナ天文台(2,876m)で観測を行い、解析結果は、現在、論文投稿中である。
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