研究課題
本年度の学術調査(17年ゼミ、ブルードVI)である。本年度は、ブルードVIは、ノースカロライナ州とその周辺の州(サウスカロライナ州、ヴァージニア州、ジョージア州)で発生した。これらが学術調査に加えて、ヴァージニア州のFredericksburg市に周期ゼミの数年前に発生したブルードの幼虫の採集(RNA分析)をした。本課題の実証研究の中心的な目的である周期ゼミの進化史に関係する問題では、decim, casiniとdeculaの3系統で遺伝子交流が見られるにもかかわらず、3系統独立で並行して、13年周期と17年周期に分化したことを遺伝子情報解析より見出した(Nature Publishing Groupの新雑誌Communications Biologyに4月に掲載)。また、全ミトゲノムの解析から、過去にPNASに報告した地域変異が3系統でも一致していることを立証した(Molecular Ecology and Evolution掲載)。周期ゼミのブルードVのより詳細な地理分布を報告とともに、このブルードVのデータから4年周期加速仮説(17年周期で4年早く発生)を再検証して、その可能性を強く示唆した。さらに、6年周期植物のコダチスズムシソウ(沖縄本島)と同種の台湾・石垣島の個体群の種内の地域変異から、周期性の祖先系が多回繁殖の多年草で、一回繁殖をへて6年周期性に進化したことが分かった(Ecology and Evolutionに掲載)。このほか、農作物の害虫がリスクのかかる長距離分散により絶滅回避をとっていることを見出した。この害虫化は、従来基本とされていた平均適応度の最大化でないことを示している。今年度はロトカヴォルテラ捕食方程式における移入の効果の論文など、絶滅回避の適応など進化・共存に関する論文などを合計13報(英文12報、和文1報)掲載(または採択)にこぎつけた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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