研究課題/領域番号 |
26280003
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲永 俊介 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (60448404)
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研究分担者 |
坂内 英夫 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (20323644)
田部井 靖生 東京工業大学, その他部局等, 研究員 (20589824)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルゴリズム / 文字列組み合わせ論 / データ構造 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,大規模文字列データを対象とした効率的なデータ構造とアルゴリズムの開発である.本年度は,以下に示す (A)-(C) の重要研究テーマについて,主に以下の研究成果を達成した. (A) テキスト圧縮・圧縮テキスト処理アルゴリズム (A-1) 連長圧縮に基づく SUS アルゴリズム (A-2) 圧縮文字列に対する Lyndon 分解計算 (A-3) 動的圧縮 LCE データ構造 (A-4) 動的圧縮索引 (B) 文字列データ構造 (B-1) パック化文字列に対するコンパクト探索木 (B-2) 接尾辞木のフルオンライン構築 (B-3) DAWGのフルオンライン構築 (B-4) 劣線形領域 LCE データ構造 (B-5) 整数アルファベットに対する DAWG の線形時間構築アルゴリズム (C) 文字列の規則性・繰り返し構造発見 (C-1) 線形時間スクエア分解アルゴリズム,(C-2) O(n log n)時間反復分解アルゴリズム (C-3) ギャップ付き回文の線形時間オンライン計算アルゴリズム (C-4) 腕ギャップ付き回文の線形時間計算アルゴリズム (C-5) 線形時間閉分解計算アルゴリズム (C-6) 一般化周期性補題 (C-7) 接尾辞配列による文字列同値類計算 これらの成果はすべて,文字列に内在する組み合わせ的性質,および高度なデータ構造技術を活用することで達成された.また,これらの結果は,査読付き国際会議および査読付き国際論文誌にて発表済みである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は,主に【研究実績の概要】で述べた研究成果について,査読付き国際会議に12件,査読付き国際ジャーナルに4件の論文を発表するに至った.これらの中には,MFCS 2016 (41st International Symposium on Mathematical Foundations of Computer Science), CPM 2016 (27th Annual Symposium on Combinatorial Pattern Matching) といった,当該分野の第1線で活躍する研究者が集う国際会議,Algorithmica, Discrete Applied Mathematics,Theoretical Computer Science といった定評のある国際論文誌が含まれており,質・量ともに当初の計画を上回る成果を得るに至っている.
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今後の研究の推進方策 |
【現在までの進捗状況】で述べたように,これまでに,当初の計画以上の研究成果が得られている.今後も,このままの体制・方針で研究開発を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
実績報告書に記載した通り,本研究課題では,当初の想定を大きく上回る研究成果を達成するに至っており,H28年度の終盤においても新たな研究成果が実を結びつつあった.そのため,当該研究を完了し,その成果を発表するために,次年度使用額が生じたものである.
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次年度使用額の使用計画 |
主に国内会議・研究会での発表に使用する予定である.
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