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2018 年度 実績報告書

大規模な点事象時系列に階層ネットワークを適合させる状態空間法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 26280007
研究機関京都大学

研究代表者

篠本 滋  京都大学, 理学研究科, 准教授 (60187383)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2020-03-31
キーワード統計的因果性の解析
研究実績の概要

我々は,イベント時系列データから外因と内因の影響を読み取る枠組みを構築し,論文「Identifying exogenous and endogenous activity in social media. K. Fujita, A. Medvedev, S. Koyama, R. Lambiotte, and S. Shinomoto,Physical Review E (2018) 98:052304」を発表した.システム内でのイベント発生は,外部の要因によって引き起こされるか,系内部の自己励起によって引き起こされるかのどちらか,あるいは両方によっている.ここでは自己励起機構を備えた一般化線形モデル(GLM)をデータにフィットさせることで外部時間変動と自己励起効果を選り分けてみせる.非線形Hawkesプロセスのシミュレーションによって生成されたデータでその手法が働くことを確認し,それを特定のハッシュタグをもったツイッターデータに応用した.ニュースメディアなどによる外因とリツィートによるイベントカスケード発生の影響を選り分けたところ,外因と内因がオリジナルツィートとリツィートに近い様子を示した.社会データの解析においてはまだ十分なノウハウがなかったので,ベルギーの研究者達の協力も得て国際共同研究としてまとめることができた.方法論は一般性の高い枠組なので,今後も多くのイベント時系列に応用することが可能と考えている.また神経細胞が互いの結合を通して信号を交換している有様から神経細胞間の回路構造を推定する枠組みも構築し、現在執筆中である.そこでは1000個のホジキンハクスリー型ニューロンのシミュレーションを行ってそれに適用したところ,推定技法は高い推定能力を有することが明らかになり,それをさらに実験データに応用している.かくして科学研究費のおかげで研究が大きく進展した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自己励起システム解析手法の論文は発表された.大規模時系列から回路構造を推定する手法については現在論文投稿中であり,当初の目的はほぼ達成されたと考えている.

今後の研究の推進方策

現在投稿中の論文はほぼ完成に近づいたが,その発展の問題についても研究を開始し,その方向も順調に推移している.

次年度使用額が生じた理由

昨年度に予定していた国際会議出席に出られなかったが,本年度に発表する会議が2件あるのでそこで成果の発表と情報収集を行う.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Identifying exogenous and endogenous activity in social media2018

    • 著者名/発表者名
      Fujita Kazuki、Medvedev Alexey、Koyama Shinsuke、Lambiotte Renaud、Shinomoto Shigeru
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 98 ページ: 052304

    • DOI

      https://doi.org/10.1103/PhysRevE.98.052304

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Computational Neuroscience: Mathematical and Statistical Perspectives2018

    • 著者名/発表者名
      Kass Robert E et al.
    • 雑誌名

      Annual Review of Statistics and Its Application

      巻: 5 ページ: 183~214

    • DOI

      https://doi.org/10.1146/annurev-statistics-041715-033733

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Inferring the source of fluctuations in neuronal activity2018

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Shinomoto and Kazuki Fujita
    • 学会等名
      Neural Coding workshop
    • 国際学会
  • [学会発表] Estimation of synaptic connections from parallel spike trains2018

    • 著者名/発表者名
      Ryota Kobayashi, Shuhei Kurita, Katsunori Kitano, Kenji Mizuseki, Barry J. Richmond, Shigeru Shinomoto
    • 学会等名
      Neural Coding workshop
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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