本研究では、これまで申請者らが開発してきた人の健康を脅かす疾病集積性を検出するための統計モデルに関して、主に二つ、(1)真の疾病の空間的集積性の完全同定確率の向上と、(2)時空間的に成長する突発的事象をより良く検出できるスキャン統計量の更なる改良、に関する研究を行った。真の疾病集積エリアの同定確率が大きくなるような統計量の改良を試み、新たに発生しつつある局在化した疾病の勃発の時空間的な広がりを精度よく検出できる時空間スキャン統計量を検討した結果、実用上優れた性能を示すことができた。これらの性質を2006年に実施された北九州市の131の小学校の欠席者数のサーベイランスデータを利用して実証した。
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