研究課題
本研究では、高解像度画像(Full HD:1920×1080画素)の大腸NBI拡大内視鏡画像を、診察時にリアルタイムで患部の病理組織の状態を識別し、腫瘍を分類して、医師へ提示する診断支援CAD(Computer-Aided Diagnosis)システムのための基盤技術開発を行った。具体的には、診察時の検査室でのリアルタイム処理を実現するために、90%以上の腫瘍・非腫瘍の識別精度を実現したままで、ソフトウェア実装方法と比較して、約1000倍程度の高速化を行うための、ハードウェア向けアルゴリズムの開発を行った。次に、開発したハードウェア向けアルゴリズムを元に、フレームレートが1~15 fps以上の処理性能を実現するために、認識処理に重要な3つの処理ユニット:特徴量抽出部、特徴量変換部、及び、タイプ識別部、に対して、パイプラインアーキテクチャを導入し、再構成可能な集積回路であるFPGA実装に適したアーキテクチャと回路実装方式を開発した。また、リアルタイムCADシステムを用いて、広島大学病院において臨床試験を行った。その結果、全病変での全正診率は94.9%、内視鏡専門医とCADの一致率は97.5%と非常に良好な結果を得ることができた。更に5 mm以下のポリープでの全正診率は93.2%、内視鏡専門医とCADの一致率は96.6%となり、システムの有効性が示された。最後に、これまでに蓄積している膨大な臨床データに適用することで得られる学習データを有効活用するために、開発した大腸NBI拡大内視鏡診断支援システムに適した転移学習手法を新たに開発し、内視鏡の機種依存性を軽減が可能であることを示した。以上の結果から、内視鏡画像の定量化による客観的指標を診察時に医師に提示することが可能なリアルタイム診断支援システムの基盤技術を構築することができた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
[AWARD] T. Okamoto, T. Koide, et al., “An FPGA Implementation of SVM for Type Identification with Colorectal Endoscopic Images,” SASIMI2016, Outstanding Paper Award, 2016/10/24
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