研究課題/領域番号 |
26280033
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
戸出 英樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20243181)
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研究分担者 |
廣田 悠介 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20533136)
藤本 章宏 和歌山大学, システム情報学センター, 助教 (30711551)
谷川 陽祐 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90548497)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | クラウドコンピューティング / 参加型サービス / ビッグデータ / 情報システム / ネットワーク制御 |
研究実績の概要 |
(1)多数のビッグデータが計算機資源を競合的に奪い合うケースにおける計算機資源の公平な配分を実現する制御機構として、Split Assignment Schemeを提案し詳細設計した。本手法では、各ビッグデータ近傍の計算機資源集合に対し、Assignment Candidate SUPPLIER Listを構築する。そのリスト内の各計算機資源エントリのソーティング順序に関して、プライマリグループ、セカンダリグループを定義し、前者には近傍性を補償しつつ資源使用率、競合度を順次考慮し、後者に関しては近傍性、資源使用率、競合度の順で優先度を考慮した検索順序を確定し、小さな基本単位資源量ずつ各ビッグデータに資源を順次配分する。これにより資源配分に関して近傍性を維持しつつ公平性を達成した。また、そのアルゴリズムを、前年度に基本設計を行ったAmeba Network Architecture(ANA)のフレームワークに組み込み、仮想化光ネットワークの光パスレイアウトと、計算機資源の割り当てを同時並行的に確定するアルゴリズムを、遺伝的アルゴリズムをベースにして融合的に導出する方式を確立した。データと計算機資源のグループが局所的に高密度に多重化される環境を想定し、JPN48ネットワークのGravityモデルで人口対応のトラヒック偏重がある環境下において、提案方式の有効性を実証した。 (2)ビッグデータと周辺計算機群のマッチング制御技術の要素技術として、まず、資源探索のアンカーポイントを1箇所に限定せず、複数の候補に向けてクエリを送出する方式として、複数のサロゲートサーバへクエリを送出し、RBCのヒット率向上を図る方式を提案し、その有効性を明らかにした。次に、ビッグデータ周辺に限定的なフラッディングによりクエリを拡散し、必要な計算機資源を探索するuser-side flooding方式を提案し、その有効性を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究におけるもっとも重要な課題の取組として、光仮想ネットワーク技術を利用して各ビッグデータの周辺計算機資源へのIPホップを低減するパスレイアウト設計を実行しつつ必要な計算機資源を効果的に配分する複合的な手法を新たに確立するに至った。また、本手法に対して実ネットワークを想定したJPN48ネットワークで、日本の人口に応じたトラヒック偏在環境を想定したGravityモデルを導入して評価を行い、その有効性を明らかにしており、実環境への適用可能性を実証することができた。その他、拡張的な提案方式の確立、検討を行うことができた。以上の点から、最終目標を見通すことができたため、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
計画はおおむね順調に進んでいると判断されるため、今後は、仮想化技術をさらに見据えた複雑な環境への適用可能性の追求、さらには、プロトタイプ実装を視野に入れた基本設計と基礎評価に向けて研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、計算機シミュレーションを効率化して行うことで購入が必要となる計算機の数を抑えることができたため、物品費の支出が当初の予定より少なくなった。これにより、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度はプロトタイプ実装による予備実験を計画しており、その準備のために端末機器の増強が必要となるため、上記で生じた次年度使用額を使用して購入を予定している。
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