研究課題
スマートフォンによる屋内測位を実現するための環境側装置と方式設計を目的とした研究であり、平成28年度において当初の目的をおおむね達成しつつ、研究を終了する。所期の予定どおり達成できた目標に加え、予定を越えた成果もいくつか得た。1)スマートフォン測位のための音響測位装置を、照明器具に併設する形で実現できた。2)それにより半径数メートルのサービス区域において、数センチメートルの実用精度で高速測位のできることを示し、実用システムを達成できた。3)本装置と測位アプリ(本研究で開発)を搭載したデモシステムを作り、研究会やワークショップで実演した。これらは本研究の最終目的としていた事項である。当初の予定を越えた成果は、測位方式に光学同期技術を併用した点である。これは可視光通信の研究に伴い、本研究グループにより世界にさきがけて発明されたもので、屋内インフラ設備側の時計にスマートフォンを数マイクロ秒の精度で同期させることができる。また本発展により、当初数センチメートルに設定していた測位精度目標を、数ミリメートルまで向上させる可能性を得た。達成は今後の発展研究の課題である。音響測位装置を照明器具に組み込むのは、当初は建築設備としての合理性からの着想であったが、上記展開により照明をその同期光源に使用することで、全体を合理的な測位装置として使用できるようになったことは予想を超える成果であった。以上の成果は研究期間内に 3件の特許として申請した。また本年の研究成果にもとづき3件の論文、4件の国際会議発表など行った。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件) 図書 (3件) 産業財産権 (1件)
IEEE Trans. on Signal Processing
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情報処理学会論文誌
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