研究課題/領域番号 |
26280046
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
花岡 悟一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 研究グループ長 (30415731)
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研究分担者 |
縫田 光司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (20435762)
江村 恵太 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所, 主任研究員 (30597018)
Attrapadun Nutt 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (40515300)
吉田 真紀 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所, 主任研究員 (50335387)
松田 隆宏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 研究員 (60709492)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 暗号・認証 |
研究実績の概要 |
本研究は、五年間の研究期間により、安全性の検証が容易であり誰でも安全であることを確信できる暗号技術を設計するための包括的方法論の確立を目指すものである。本研究が完成することにより、先端的暗号技術に関する大きな導入障壁が取り除かれ、さまざまな高度ネットワークサービスを安心して活用できる社会を実現可能となる。H28年度においては、前年度までの成果をさらに一層発展させ、高度な機能を持つ暗号技術をより単純な機能のみを持つ暗号技術から一般的に構成するさまざまな手法の検討を進めた。具体的には、完全群構造維持署名や非対話開示可能公開鍵暗号一般的構成や、秘密情報の値のみならずサイズをも秘匿可能なマルチパーティ計算の実現を手法を明らかにしている。特に、完全群構造維持署名の一般的構成を用いることで、通常の(弱い性質のみをもつ)多くの群構造維持署名を一括して完全群構造維持署名に変換可能となるため、非常に多くの新たな完全群構造維持署名を同時に設計することに成功している。また、これらの安全性についても一括して証明がなされている。さらに、範囲による条件付けが可能な属性ベース暗号の設計方法などの提案などを行った。これらの手法を用いることで、構成要素となる基本的暗号技術の安全性を検証を行うだけで自動的にさまざまな高度な機能を持つ複雑な暗号技術の安全性検証を行ったこととなり、本研究の目的の一部が達成されたものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
安全性証明の信頼度を高める研究として、さまざまな種類の暗号技術の安全性を一括して検証可能な手法の提案を行ったものと考えられる。特に、前年度の研究対象に比べて、より高度な機能を持つ複雑な暗号技術についてそのような手法の実現がなされている。本研究の一連の成果は、複数の国際会議に採録がなされている。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度は、前年度までに得られた成果をさらに発展させ、安全性証明の簡易化を一層推進する。特に、より広範な暗号技術について同様の研究を行うだけでなく、包括的なフレームワークの構築に着手する。なお、これらの研究は、いずれも上記目的を達成するための手段であることから、上記目的を達成するうえでより適当な方針の存在が明らかとなった場合、適宜、そのような方針を採用していくものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者及び分担者の所属機関における内部資金を併用して研究を行ったところ、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度は想定よりさらに多くの国際会議発表などが予想されるため、そのための旅費に充てる。
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