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2016 年度 実績報告書

多感覚統合による自他の統合と向社会的行動 ―社会的共生に向けた基礎的研究―

研究課題

研究課題/領域番号 26280048
研究機関富山大学

研究代表者

佐藤 徳  富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00422626)

研究分担者 板倉 昭二  京都大学, 文学研究科, 教授 (50211735)
大平 英樹  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90221837)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード認知科学 / 実験心理学 / 社会認知科学
研究実績の概要

初年度において、自己の行為に対して随伴的に外集団成員が応答する場合、外集団成員に対する潜在的な差別が低下し、外集団成員に対する援助行動が促進されることが示された。本年度は、以上の研究を踏まえ、①自己の行為に対して他者が随伴して応答する場合、物理的な距離は同一でも相手の存在をより身近に感じるようになるか、②多感覚統合による自他統合により相手の視点や感情の取り入れが促進されるかを検討した。
①については、自己の行為に対して相手が随伴して応答する場合、相手が同一の行為を示しても随伴性がない場合や無反応の場合に比べて、相手との知覚的距離が縮小することが、顔の残像サイズを測定し、エンメルトの法則により知覚的距離を算出した実験により明らかとなった。昨年度の研究と合わせ、社会的随伴性は時間と空間の感覚を変容させることが示唆された。
②については、画面上の顔と同期して鏡面で同一の部位を撫でる場合、異なる位置を撫でる場合に比べて、より自他統合が生じ、感情などの相手の状態の転移が生じやすいことが示された。すなわち、自他統合が促進される条件において、相手が幸福顔をしていれば、自身も幸福感をより強く感じ、創造性も高まることが示唆された。同一の表情顔を提示しても、自他統合が生じる場合で強い転移が生じており、これはいわゆるミラーニューロンを通じた「共感」的な効果ではない。
一般的に外集団成員に対しては向社会的行動が示されにくい傾向がある。意識的な努力によって克服する方法も多く提案されているが、同時にその限界も指摘されている。多感覚統合により内集団範囲を拡大する本課題の方法はその限界を克服する一つの方法となりうる。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] We-mode研究の現状と可能性2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤 徳
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 59 ページ: 217-231

  • [雑誌論文] Eye contact affects object representation in 9-month-old infants2016

    • 著者名/発表者名
      Okumura, Y., Kobayashi, T., and Itakura, S.
    • 雑誌名

      PlosOne

      巻: 11 ページ: e0165145

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0165145

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Goal attribution toward non-human objects during infancy predicts imaginary companion status during preschool years2016

    • 著者名/発表者名
      Moriguchi, Y., Kanakogi, Y., Todo, N., Okumura, Y., Shinohara, I. and Itakura, S.
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 7 ページ: 221

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2016.00221

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 心をつなぐ運動の同期 ―対人同期現象と自閉症スペクトラム障害2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤 徳
    • 雑誌名

      発達

      巻: 148 ページ: 59-64

  • [雑誌論文] 幽体離脱は本当に起こるのでしょうか?2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤 徳
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 34 ページ: 1060

  • [学会発表] 時間と赤ちゃん2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤 徳
    • 学会等名
      赤ちゃん学会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2016-05-21
  • [図書] 心理学2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤 徳
    • 総ページ数
      414 担当36
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] 現代社会の中の自己・アイデンティティ2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤 徳
    • 総ページ数
      194 担当26
    • 出版者
      金子書房
  • [図書] 自尊感情の心理学: 理解を深める「取扱説明書」2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤 徳
    • 総ページ数
      227 担当20
    • 出版者
      金子書房

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公開日: 2018-01-16  

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