研究課題/領域番号 |
26280049
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
橋弥 和秀 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (20324593)
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研究分担者 |
松井 智子 東京学芸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20296792)
小林 洋美 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 研究員 (30464390)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | わたしたち / 他者意図理解 |
研究実績の概要 |
本研究は、自己と他者とを包括する「わたしたち」という概念(”We”概念)の発達過程を解明することで、ヒトの社会集団形成の重要な基盤となる、個と集団とを同一化する心的機構の起源に迫り、現代における人間観を構築する上で不可欠かつ新たな知見を提示することを目指している。本年度は、大きく3点に分けられる。 ■高密度コーパスからの発話データ抽出をおこなった。結果は現在解析中である。 ■幼児を対象とした行動実験に着手したが、当初計画のタスクでのデータ収集では十分な解釈が行えないという問題点が明らかになったため、議論の上で、実験デザインを変更した。新たな実験刺激準備をほぼ完了し、次年度改めて実施する準備を整えた。 ■"We"概念を検討する上で重要な、"Theory of Mind"を含むコミュニケーション理論に関する概念整理をおこない、学術書籍(共著)として刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動実験計画について、実施上の問題が発生したものの、これは"We"概念において検討 すべき問題を再整理する契機ともなった。それ以外の部分については順調に進んでおり 研究成果は学会等で積極的に発表し、反響を得ている。進捗状況はおおむね順調と判 断している。
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今後の研究の推進方策 |
■高密度コーパスについては解析を終え次第英語論文投稿の準備に入る。 ■行動実験については、出力としては同一の"We"使用をおこなっているが、背景となる事実は「自分の成果を他者と分配する、利他的なWe」「他者の成果に"ただ乗り"する、利己的なWe」「事実に即した正直なWe」と三通りが存在する場合、発話したエージェントに選好が見られるかについて、2-4歳を中心とした年齢群で検討を行う。 ■理論的な概念整理についても引き続きおこなう。
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