本年度は以下の内容で研究を行った。 1.角膜反射画像とシーン画像の高精度位置合わせ手法を開発した。角膜モデルとして従来の球面モデルではなく、非球面モデルを導入した。また、位置合わせ手法としてRANRESAC(Random Resample Consensus)というノイズに強い位置合わせ手法を提案し、また精度向上の為、疎な位置合わせの後、密な位置合わせを行うという2段階の方法で精度を大幅に向上させた。結果として、従来(球面モデル・一段回のみのマッチング)は3.37度程度の精度だったものが、より高精度の位置合わせ(1.05度)まで向上させた。これらの研究については、海外でのカンファレンスおよびジャーナルで発表を行った。 2.実環境での角膜イメージ・注視行動データベースを作成した。これにより、屋外環境での360度シーン画像と角膜イメージのセットデータを取得した。このデータセットに基づき、360度の屋外環境画像と角膜イメージをマッチングさせることで注視点推定を行った研究を実施し、精度としてキャリブレーション無しで3~4度程度の精度を達成した。また本手法は従来に比べ、カメラのズレなどに頑健であるという特徴も示した。本研究は国際カンファレンスに採択された。 3.角膜イメージングカメラを用いて共同研究を実施した。2企業および2大学機関の間カメラを用いて共同研究を実施した。また、協力機関を通じて海外でのデモも行った。
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