研究課題
遠隔操作人型ロボットは,遠隔地にいる会話相手の身体動作を物理的実体の運動を通して提示するため,映像には真似の出来ない迫真性を創出することが可能で,擬似的な身体接触をも可能にする.一方で,カメラ映像を表示するディスプレイは,会話相手の今現在の実際の外見をリアルタイムで提示するという,ロボットには真似のできない情報伝達を可能にする.そこで本研究では,ロボットの物理的身体とディスプレイ上の映像的身体を融合することで双方を上回るメディアを開発した.ディスプレイとロボットを合体させたメディアの例としてはテレプレゼンスロボットがある.これはディスプレイを台車ロボットに乗せて移動可能にしたものであり,ディスプレイとロボットの融合における重要な第一歩であるが,本格的な融合からは程遠い.まず,ディスプレイの移動は身体全体の移動に対応しており,ジェスチャーなどで発生する身体動作は従来通り映像のみで表現するしかない.また,動作提示以外の重要なロボットの利用法である身体接触の再現が試みられていない.本研究では,より密に映像的身体と物理的身体を融合させる手法を開拓した.本研究では,身体動作の提示や身体接触の再現に不可欠となる最小限の身体部位のみをロボット化し(例:握手用ロボットハンド),それをディスプレイ上で映像として表現されている身体に接合するアプローチによって(例:肘から先の映像を消去し,その位置に駆動機構によってロボットハンドの付け根を移動させる),これら2種類のメディアの長所を併せ持つ新たなメディアを創造した.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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