研究課題/領域番号 |
26280086
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河原 吉伸 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00514796)
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研究分担者 |
永野 清仁 公立はこだて未来大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20515176)
岩田 具治 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, その他部局等, その他 (70396159)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 機械学習 / 組合せ最適化 |
研究実績の概要 |
本研究では,劣モジュラ関数の最適化を中心とした組合せ的な計算に基づく機械学習のための基礎的理論を構築し,厳密性が高くかつ解釈が容易な特性を持つ,計算的に効率な機械学習アルゴリズムを体系化することを目的とするものである.さらに,開発したアルゴリズムの複数ドメインへの適用・検証を重点的に行い,応用的知見獲得や有用性検証までを行うことを目的としている.
本目的のために,本研究では,(課題1)離散凸解析に基づく機械学習のための理論解析/高速アルゴリズム体系の構築,(課題2)事前情報としてのデータの組合せ的構造を用いた学習アルゴリズムの開発,そして(課題3)個別問題の特性を用いた超高速アルゴリズムの設計とその応用,に分けて取り組むよう計画している.
当該年度では,(課題2)に関連して,問題の構造的情報を劣モジュラ関数を用いて表現し学習に利用する枠組みに関して重点的に研究を進めた.まず,これまでに開発してきた構造正則化アルゴリズムに関しては,コンピュータ・ビジョンにおける代表サンプル選択など,いくつかの周辺分野における応用へと適用しその有用性について確認した.また,構造的情報を劣モジュラ関数を用いて表現して学習へ利用する枠組みについても検討を進めた.特に,劣モジュラ関数を用いた確率分布を一般化線形回帰における事前分布とするベイズ推論の枠組みについて,その定式化の導出を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究計画とは課題間で進捗が前後しているものの,当初計画していたものからの発展的内容に関する進捗もあり,全体としておおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では,これまで得られた成果について体系的に整理するとともに,各種周辺分野の応用への適用や,発展的内容への展開を進めていく.特に,劣モジュラ関数を用いた構造的学習については応用性が高いため,今後も共同研究者をはじめとした周辺分野の研究者との協議のもとさらに適用範囲を広げていきたいと考えている.
特に,上述のような,劣モジュラ関数により構造的情報を表現したベイズ的枠組みについては,応用性が高く重要であるという認識が高まっており,当初計画ではあまり想定はしていなかったが今後重点的に進めていきたいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗の微小な遅れにより,前年度に計画していた学会発表がずれ込み,その分を中心とした次年度使用額が生じている.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額に相当する額により,上述の学会発表の遂行を行う予定である.
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