研究課題
本年度の研究では,コード化のモジュラー性を検証した.一般にプログラムには数多くの変数と部分的な依存関係が存在するが,効率的なプログラム進化の実現のためにはそれらの間の因果関係を適切に推定する必要がある.そこで、ネットワーク推定の比較を行い,複数の変数と部分構造の因果関係を的確に導出する発生型遺伝的プログラミングの実現を試みた.検証法としては,ベンチマーク問題に適用した進化の結果に関して階層的な繰り返し構造が得られるかを解析した.さらに,実際的な応用として,ヒューマノイド・ロボットに対しては,動作設計や協調行動計画に応用し,提案手法の有効性を検証した.具体的には,実機ロボット(二足歩行ロボット, 近藤科学製KHR-3HV)とロボットシミュレータ(OpenHRP)の使用して、投擲行動、逆立ち、ローラースケーティング、ブランコ動作などを実現した。これらの実機実験により、提案手法の(1)スケーラビリティ(多様な構造を少ない情報から表現できること)(2)モジュラー性(発達過程で情報が再利用でき,新しい構造を展開できること)についての有効性を確認した。
2: おおむね順調に進展している
前年度の成果に加えて、プログラム生成のための「遺伝子ネットワーク」を構築するメカニズムの基本的な設計が順調に行われている.特に,ネットワークの部分構造に関する因果関係モデルの開発,及び効率的な構造パラメータ推定の効率的実装が重点的に検証されている。
遺伝子ネットワークでは情報が動的にシステムの時間発展の中にコード化されることが重要である.これを利用してプログラム進化を実現し,ある種の拘束条件での準最適プログラムの探索能力を検証する.
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http://www.iba.t.u-tokyo.ac.jp/