研究課題
本研究では,マイクロメートルスケールの非平衡場を構築・制御し,分子を時空間的・動的に自己組織化させ,さらに,非平衡場のエネルギーを利用して自律的に駆動する,「動的な細胞サイズ分子ロボットの創製と制御」を行うことを目的とし,研究を行った.最終年度である今年度は,予定通り,DNAを用いた機能性の小胞による細胞サイズ分子ロボットの発展を行った.具体的には,DNAオリガミ技術による小胞型分子ロボットを実現するとともに,DNAスケルトン構造による小胞型分子ロボット, RNA転写をベースとしたDNA反応を有する小胞型分子ロボットを構築した.DNAオリガミ技術による小胞型分子ロボットでは,イオン透過性のある小孔の機能を付与することに成功した.また,形成メカニズムに関する詳細な研究の結果,ソフトマター物理学におけるピッカリングエマルション型であることが分かった.これにより,さらなる機能付加の設計方法が分かってきた.DNAスケルトンでは,形成メカニズムの解明とともに,形成後にRNA転写反応できる酵素を含む水溶液へ抽出することに成功した.DNAスケルトンにはRNAを転写できる配列の付加により情報を蓄積するとともに発現できる情報デバイスとしての細胞サイズ分子ロボットの構築に目処がついた.さらに,多数マイクロ粒子の動的な自己組織化システムを発展させ,外場に応答しながら動的に構造が構築されたり変形したりするシステムについて検討するとともに,自律運動のメカニズムの解明等も進めた.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 9件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
月刊化学
巻: vol.73 ページ: pp.40-43
Proc. Natl. Acad. Sci. USA (PNAS)
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http://www.takinoue-lab.jp/