研究課題/領域番号 |
26280102
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
岡田 美智男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50374096)
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研究分担者 |
RAVINDRA S.De Si 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20449490)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 関係論的なロボット / ゴミ箱ロボット / 発話生成 / 相互適応 |
研究実績の概要 |
本研究は、他者のアシストを上手に引き出しながら、合目的的な行為を遂行する関係論的な行為方略を備えたロボット(=関係論的なロボット)の概念を多様な領域に展開し、そのプロトタイプを構築すること。また、これらの研究プラットフォームを利用し、どのような条件下で他者のアシストを引き出せるのか、その間でどのようなコミュニケーションが生じるのか、人とロボットとの関係発達の様相はどのようなものかを構成的に明らかにすること。さらには、これらの知見を総合し、関係論的なロボットの理論的基盤と技術的基盤とを整理し、各応用領域に展開することを狙いとしている。 本年度は、5つのタイプのロボットを関係論的なロボットの観点から整理し、本研究課題における研究プラットフォームとして要素技術を整えた。具体的には、①子どもたちのアシストを引き出しながら、結果としてゴミを拾い集めるロボットの新たな要素技術として、自己位置推定と環境地図を同時に作成するSLAMを拡張した、子どもたちとの位置関係を調整する機構を構築した。②聞き手からの支え(聞き手性)を引き出しながら、一緒に発話を組織するロボット(Talking-Ally)において、聞き手の状態に合わせた動的な発話選択、発話タイミングの調整機構を構築した。③人の社会文化的な制約の下で、相互に適応しあい、一緒にノック音などのシンボルの意味を獲得・共有していくロボットにおいて、シンボルの意味を相互に調整しあう機構を構築した。これらの提案と評価結果をまとめ外部発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究では、①先行研究で個別に開発してきた5つのタイプのロボットを、関係論的なロボットの観点から整理し、本研究課題における研究プラットフォームとして要素技術を整えること、②関係論的なロボットと人との関係形成に関する理論的基盤を多面的に整理すること、③人の行動を思わず揺り動かす「関係場」には、どのようなタイプがあり、どのような条件下で生じるのかを各領域のロボットの振る舞いを統制しながら、構成的に明らかにすることを計画していた。これらはおおむね順調に進展し、外部発表も十分に行えたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に沿って実施予定である。具体的には、①人とロボットが志向性を共有する中で生じるコミュニケーションのタイプとその調整機構を明らかにする、②人とロボットとの関係発達を可能とする学習機構とそのプロセスを明らかにする、③年度毎に、これら知見を整理して研究発表を行いながら、理論的基盤と技術的基盤を交互にブラッシュアップを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度のロボットの製作にあたり、ロボット構成部品を既存の部品から流用するなどしたため、計上していた物品費を計画より低く抑えることができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究計画においてロボットの大幅な改良を予定しており、ロボット構成部品の購入を行う。
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