| 研究課題/領域番号 |
26280104
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| 研究機関 | 芝浦工業大学 |
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研究代表者 |
大倉 典子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00317364)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 感性インタフェース / かわいい / マルチモーダル / 触覚 / 色相 / 生体信号 / 視線情報 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、生体信号を利用してマルチモーダルな「かわいい人工物」の定量的構成法を導出することである。平成27年度は、前年度の基礎固めをさらに発展させた。
・前年度には実環境における触感に関する感性評価実験を実施した。具体的には、触感が異なるが見た目の質感（光沢）がほぼ同じになるよう物理属性を調整した触素材サンプルを用い、実験協力者に、オノマトペを含む形容詞に関して各サンプルを評価してもらった。サンプルと実験協力者の世代と性別をパラメータとして実験結果を解析し、その結果から、触感を媒介にした形容詞の分類および「かわいい」と他の形容詞の関係が明らかになった。27年度は、この実験に、見た目に大きく影響する「色相」という属性を追加し、それに伴い形容詞を再選択した上で、HMD（Head Mounted Display）を用いたバーチャル環境で色相を提示し、実環境の触感と組み合わせて評価実験を行った。その実験結果から、触感と色相を媒介にした形容詞の分類および「かわいい」と他の形容詞の関係が明らかになった。
・複数の生体信号を同期して計測・解析する目的で前年度に導入した新しい生体信号測定装置を用い、感性評価実験による有用な生理指標の創出に成果を得た。
・他の研究で視線追跡装置を用いて指標を算出し、生体信号の解析区間の設定や感性評価に利用してその有用性を確認した。そこで本年度は、オリジナルのかわいいイラスト6種類を作成し、視線追跡装置を用いて、かわいいイラストを見た時の視線情報を解析する実験を、年齢・性別の異なる実験協力者を対象として、計3種類実施した。かわいいイラストの選択結果や視線情報に、特に性別で大きな差異のあることが明らかになった。
・バーチャル空間と模型空間の視覚情報を対象とした感性評価比較実験を行い、両空間の感性評価の共通性と差異を明らかにした。（連携研究者の伊藤と協力）
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、概ね順調に進展していると考えている。そのおもな理由は、以下のとおりである。・これまでの生体信号計測における最大の問題点であった「同期計測」が、新しい生体信号計測装置の導入により解決し、生体信号の組合せを指標とするめどがたった。・触素材サンプル感性評価研究において色相を新しい属性として実験を行い、触覚と視覚のマルチモーダル環境で大きな成果が得られた。・視線追跡装置を用いて動的（わくわく系）「かわいい感」と視線情報との関係が明らかになった。・バーチャル空間と模型空間の視覚情報を対象とした感性評価比較実験など、連携研究者との協力研究でも大きな成果を挙げることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
１．触覚・聴覚・視覚およびこれらの複数モダリティに関するバーチャル環境および実環境での系統的解析実験
前年度に実施した実環境の触感とバーチャル環境の色相を組み合わせた感性評価実験の結果に対し、多変量解析やデータマイニング手法を用いて、性別や年代をパラメータとしてモデル化する。さらに連携研究者の伊藤や日本建築学会のWGとも協力して、空間の「かわいい感」をモデル化する。また堀江と協力して、脳波、心拍、呼吸、皮膚電気抵抗等の生体信号を測定し、「かわいい感」を生理指標をパラメータとしたモデル化も行う。
２．視線追跡装置の利用
引き続き視線追跡装置を用いて指標を算出し、生体信号の解析区間の設定や「かわいい感」の評価に利用する。また、動的「かわいい感」と静的「かわいい感」の評価実験や空間の評価実験にも利用する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
購入予定のHMD(Oculus)の製品版の出荷が遅れて次年度になったことから、それに対応するグラフィックスボードの購入も次年度に延期せざるを得なかったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
購入予定のHMD(Oculus)の製品版に対応するグラフィックスボードの購入に充当する。
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