WBANにおいては各種センサーなどの周辺機器が取得した情報をスマートフォンなどのローカル端末あるいはベースステーションなどのネットワークエッジサーバの処理能力がシステム全体の性能を大きく左右するが、扱う処理要求は多様であり、またそのトラヒック特性も複雑である。この性能評価を行うために一般的な到着過程と処理過程に従う汎用的なGI/G/1タイプの待ち行列モデルが有用であるが、その状態確率が導出できるのは限られたモデルについてである。本研究ではモデルを限定せず、一般的な場合につき、状態確率の漸近的特性を導出した。 WBANにおいては、ネットワークエッジにおける無線帯域がシステム性能のボトルネックになるため、その有効活用を図る必要がある。一次利用に割り当てられた各無線帯域の空きを二次利用の通信が活用するコグニティブ無線ネットワークを考察し、その性能評価を行った。具体的には数理モデルとしてバケーション期間のある優先権付き待ち行列モデルを提案し、解析を行った。その結果、スループット、ブロッキング確率などの性能評価量の導出が可能になった。 センサー、メータなどがマルチホップ無線通信でサーバノードに情報集約するシステムにおいてモビリティがネットワーク性能に及ぼす影響を考察するために、数理モデルを構築し、その性能解析を行った。解析結果を基に送信遅延、スループット、パケット廃棄確率などの性能評価量を導出した。
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