工学研究は,人々の生活を便利にする技術の実現を目的として推進されてきた.しかしながら,過剰で近視眼的な便利さの追求の結果,副作用として各種の問題が生じてきている.この1つの解決策として,筆者らは,妨害的要素をあえて導入することによって,人による人間的な営みに対して,異なる視点,あるいは高次の視点から見た場合にプラスの影響をもたらそうというメディア・デザインの考え方を提唱している.本研究成果報告書では,我々自身の研究事例に基づき構築した,妨害による支援システムのデザイン方法論について述べる.併せて,この考え方に基づき新たに開発した2つの語学学習支援システムの概略を示す.
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