研究実績の概要 |
現実世界の大規模な探索問題は全解探索は困難であり、有用そうな部分を選択的に探索するアルゴリズムが用いられる。ゲーム木の探索はこのような問題の一例であり、近年提案されたモンテカルロ木探索がその有効性から広まっているが、将棋など「細い正解の一本道をたどらねばならない」ような問題領域においては収束が遅く、適用が難しい。この問題に対処するため、本年度は、ベイジアンアプローチに基づく分散モンテカルロ木探索アルゴリズムを設計し、激指を用いて分散計算アプリケーションの試験実装を行い、設計の妥当性と実装方法の評価を行うとともに、性能の改善手法の検討を行った。 基本となる提案手法のアルゴリズム設計、およびその性能に関する基礎的な検討結果について、以下の学術論文誌ならびに国際会議に採録され発表を行い、提案手法の有効性と有用性が確認できた。 - 横山 大作, 喜連川 優, ベイジアンアプローチに基づくモンテカルロ木探索アルゴリズムの将棋への適用と評価, 情報処理学会論文誌, Vol. 55, No. 11, pp. 2389-2398, (2014-11-15) - Daisaku Yokoyama, Masaru Kitsuregawa, A Randomized Game-Tree Search Algorithm for Shogi Based on Bayesian Approach, The 13th Pacific Rim International Conference on Artificial Intelligence (PRICAI 2014), pp. 937-944, (2014)
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