研究課題
アラスカ湾沿岸域で得られた連続試料を用いて,氷床発達やそれに伴う陸域削剥量変動史と海洋生物群集変動のリンケージを明らかにすることを目的として研究を継続し,以下のような成果が得られた.①サイトU1418およびU1417の酸素同位体比層序のための試料準備,および測定結果を基にした年代モデルの構築を行なった.オレゴン州立大学に委託測定により,U1417およびU1418で計439試料の酸素および炭素同位体比のデータが得られた.分析データを基に酸素・炭素同位体比基準年代モデルとの対比を行ない,両掘削サイトで100万年前までの年代モデルを構築することが出来た.②珪藻および放散虫化石の生層序と群集組成変動解析のため,光学顕微鏡観察用スライドと電子顕微鏡観察用試料を作成し顕微鏡観察を行った.珪藻化石分析に関しては,U1417とU1418の計量試料解析が終了し,群集解析をもとに古環境の復元を進めた.また,U1419は500年ごとの解像度で約120試料の計量試料解析が完了し,堆積物の化学的,物理的特性との比較を踏まえた精密な古環境変動解析を試みている.放散虫化石分析は,U1417の分析が終了し,詳細な前期-後期更新世の放散虫生層序を構築できた.③U1418における珪藻を多く産出するコア堆積物上部について分析を行い,オパール分析による生物生産量および珪質微化石群集との関連性を解明した.④U1417での透水率測定結果は,一般的な堆積環境と異なる不均質性が明らかになった.また,同一試料片のSEM観察および粒度分析結果から,過去の堆積環境の復元を行った.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Journal of Micropalaentology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
doi: 10.1144/jmpaleo2016-019
化石
巻: 99 ページ: 7-14
巻: 99 ページ: 47-52