炭素系資源の加熱時に発生するHClの二次的反応を理解するため、フェノール樹脂由来の純炭素をO2賦活後、K、Ca、CuおよびZnをドープしたモデル炭素質物質を100 ppm HCl/N2中500℃で保持した。その結果、炭素は金属の有無に依らずHClと容易に反応し、その量は金属無しでは炭素活性サイトの増加で増大し、また、Ca、Cu、Zn存在下で大きくなった。さらに、これらの金属種共存下では、炭素単独に比べ、塩素化芳香族のXPSピークの強度が増大した。以上より、高温プロセス由来の有機塩素化合物は、HCl、炭素質物質(未燃炭素等)、金属種(Ca、Cu、Zn等)が関与する反応で生成することが見出された。
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