研究課題/領域番号 |
26281036
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
亀田 知人 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60333895)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 層状複水酸化物 / 合成 / 芳香族スルホン酸イオン / インターカレート |
研究実績の概要 |
本課題では、芳香環同士に働く相互作用を利用して、層間に芳香族スルホン酸イオンをインターカレートしたMg-Al系層状複水酸化物(Mg-Al LDH)による水溶液中の芳香族有機化合物の選択的捕捉を検討する。本年度は、そのMg-Al LDHの合成を行った。窒素雰囲気下、30℃に保持しつつ300rpmで攪拌した2,7-ナフタレンジスルホン酸(NDS)溶液250mlに、Mg/Alモル比3.0の 0.375 M Mg(NO3)2-0.125M Al(NO3)3混合溶液250mlを10ml/minで滴下した。溶液のpHはNaOHの滴下により10.5に保持した。滴下終了後の攪拌を1時間継続した後、ろ過、洗浄により得られた生成物を減圧乾燥し、XRD、ICP-AES、HPLCにより分析した。ここでNDS溶液は、下式に従った化学量論量の0.5~3.0倍モルのNDS2-を含んでいる。 0.75Mg2+ + 0.25Al3+ + 0.125NDS2- +2OH-→Mg0.75Al0.25(OH)2(NDS2-)0.125 生成物は全てLDH構造を有するHydrotaciteに帰属され、いずれの生成物も、層間にCO32-をインターカレートしたMg-Al LDHよりも大きなd値を示す基本面間隔((003)面)のピークが現れた。生成物にはNDSが含まれ、そのMg/Alモル比が出発溶液に近いことから、生成物は、層間にNDS2-をインタ-カレートしたMg-Al LDHであることが分かる。この時の基本面間隔のd値からMg-Al LDHのブルーサイト層の厚さ(4.8Å)を引いて得られる層間隙は4.3~6.1Åであった。NDS2-の分子径が約9.5Åであることから、Mg-Al LDH層間においてNDS2-は、ブルーサイト層に対して25~40°程度傾斜した状態でインターカレートされたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の研究計画に記載した通り、有機修飾無機層間化合物を創成することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書に記載した通り、平成27年度の研究計画を粛々と進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究を効率的に推進したことに伴い、発生した未使用額 である
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次年度使用額の使用計画 |
27年度の研究費と併せて使用する予定である
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