研究課題
基盤研究(B)
芳香族スルホン酸をインターカレートしたMg-Al系層状複水酸化物(Mg-Al LDH)は、芳香族有機化合物に対してπ-π相互作用による選択的捕捉能を有し、その捕捉は層間に存在する芳香族スルホン酸や捕捉対象物質の有する芳香環の電子状態に影響を受ける。芳香環を有する有機カチオンをインターカレートした有機修飾モンモリロナイト(MMT)は、芳香環電子密度の大きい芳香族化合物に対してπ-π相互作用による選択的捕捉能を有し、MMT層間内の立体障害が吸着エネルギーに影響を与えることが分かった。
環境化学
有機修飾LDH、有機修飾MMTによる非イオン性有機化合物の選択的認識・捕捉は、活性炭等では実現できないため、非常に斬新なアイディアである。この研究の進展により、高選択性・高感度な非イオン性有機化合物のセンシング・捕捉材料の開発が期待できる。排水処理という従来の方法ではなく、化学工場や製紙工場、食品工場等の排水中からの有価な非イオン性有機化合物の回収という新規な方法を提案することができる。