研究課題/領域番号 |
26281063
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
高木 方隆 高知工科大学, 工学部, 教授 (50251468)
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研究分担者 |
田中 守 高知県立大学, その他部局等, 助教 (00612350)
渡辺 高志 熊本大学, 薬学部, 教授 (70210911)
菊池 豊 高知工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80242288)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 植物資源 / バイオマス計測 / 環境計測 / 地理情報システム / 適地性評価 |
研究実績の概要 |
1)森林バイオマス賦存量推計モデルの構築 前年度に導入したUAVを用いて,継続して森林を計測した.今回は,UAVによる空中からの計測だけでなく,森林内部においてもLiDARを用いた計測を行うと伴に,検証のため胸高直径の毎木調査も行った.UAV計測とLiDAR計測によって得られた三次元の点群データは,トータルステーションによる基準点データを元に幾何変換し,座標系を統一した.幾何変換されたそれぞれの点群データを統合し,三次元のボクセルモデルを構築した.ボクセルモデルにおける属性データには,葉の割合と幹の割合を入力している.このボクセルモデルを用いれば,バイオマスの推定が簡単になる.従来手法と比較したところ,80%の精度で推定することができた. 2)有用植物資源賦存量モデルおよび推定自生適地評価モデルの構築 これまで,対象地域内の現地調査を492箇所で実施し,サンプルを採取した.採取した有用植物のうち,ウバユリに着目し,採取地点における地形条件や気象条件に関する属性データをGISを用いて入力した.そのデータを共相関数値を用いたネットワーク解析により特徴抽出を行った.その結果,降水量は高知県平均値程度,傾斜方位は南向き,傾斜角度は緩やかな地形,植生境界線や水辺からの距離が近い地域が自生適地であることが判明した. 3)局所環境要素の詳細分析と植物の活性成分との関係の解明 対象地域においてい地理的条件を代表している5地点に環境情報を取得するためのフィールドサーバーを設置し,局所環境要素の時系列変化を収集した.フィールドサーバー設置場所のみのデータによる解析は,観測数が少ないことから,気象庁の観測データとシミュレーションデータから局所環境要素を得る手法を検討した.様々なシミュレーションデータのうち,GPVデータが局所環境要素を比較的表していると期待された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
森林バイオマス賦存量推計,有用植物資源賦存量と自生適地性評価は,順調に進んでいる.現地調査は,492箇所,476の植物を採取し,非常に多くのデータを得ることが出来た.採取した植物の化学分析が今年度も多少遅れているが,予定より非常に多くのサンプルが得られたためである.現在,順次分析結果が得られおり,適地性評価手法も構築されたので,大きな障害とはないっていない.
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今後の研究の推進方策 |
1)森林バイオマス賦存量推計モデルの構築 森林バイオマスの計測については,引き続きUAV計測と森林内部でのLiDAR計測を行い,UAVのみでのバイオマス賦存量推計モデルの構築と,その検証を行う予定である. 2)有用植物資源賦存量モデルおよび推定自生適地評価モデルの構築 前年度に引き続き,最終年度も現地調査を行うが,調査地点の選定は,推定自生適地評価モデル結果を反映させる.また,適地性評価が得られた圃場において,実際に有用植物(ウバユリ)を栽培する.これらの結果をもとに,構築されたモデルの精度を評価する. 3)局所環境要素の詳細分析と植物の活性成分との関係の解明 現在,有用植物の栽培圃場を含む5地点において,気象と土壌のリアルタイムモニタリングを行っている.さらにGPV希少シミュレーションデータを用いて,局所環境要素と植物の活性成分の関係性を共相関数値によるネットワーク解析を実施する.
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