カラーユニバーサルデザインは、多様な色覚特性に対して、色による情報伝達がどの色覚特性の方にも伝わる色使いを行う色彩デザイン手法である。カラーユニバーサルデザインにて、最も配慮が必要な色覚特性は、2色覚である。2色覚には、混同色と呼ばれる見分けられない色が存在する。さらに、混同色となる色の組み合わせは無限にあり、習得することが難しい。 現在、カラーユニバーサルデザイン手法をどのようにしてデザイナに教育していくかの方法論には、確立されたものはない。そこで、本研究課題では、カラーユニバーサルデザイン教育方法として、デザイナに対し、混同色知識の習得を支援するデザイン手法を検討することを目的とした。具体的に、本研究課題で取り組んだカラーユニバーサルデザイン教育手法は、デザイナへのビデオ教材による2色覚の色覚特性に関する知識の提供、単純なルールによる混同色の経験的習得ゲームの提供の2つの教育方法の開発を行った。 ビデオ教材では、2色覚の日常における不便さや体験談を入れ、2色覚を身近に感じられるようなインタビューも入れ、さらに、最新の2色覚の色覚特性についての知見も取り入れた。また、混同色の経験的習得ゲームについては、複数の混同色が提示され、その組みを当てていくというゲームを開発した。これらを九州大学芸術工学部画像設計学科の学生に紹介したところ、概ね、良好の評価を得た。さらに,今後、これらをカラーユニバーサルデザイン教育プログラムとしてより効果的なプログラムとして確立していく。
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