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2015 年度 実績報告書

消臭抗菌抗アレルギー繊維の機能性評価と介護医療分野への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26282014
研究機関大妻女子大学

研究代表者

水谷 千代美  大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (00261058)

研究分担者 梶原 莞爾  信州大学, 繊維学部, 特任教授 (10133133)
弘田 量二  高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 講師 (20448385)
細谷 聡  信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (40293500)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード消臭抗菌抗アレルギー繊維 / かゆみ / ヒスタミン / 皮膚pH / アレルギー性皮膚炎患者
研究実績の概要

アレルギー性皮膚炎には、繊維に含まれる化学物質に反応して発症する接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎があり、かゆみの強い慢性の湿疹を発症する。皮膚医は、このような皮膚疾患者に綿の着用を薦めている。しかし、なぜ化学繊維が悪く、綿が皮膚によいのかは明確になっていない。本研究は、皮膚疾患者の着衣による皮膚疾患の症状と原因について調べた。まず、皮膚疾患者にアンケート調査を行った結果、かゆみ症状が出やすい時季は夏と冬で、汗と乾燥が原因であった。また、首や胸元のような衣服が触れる部分や肘・膝などに症状が出やすいことがわかった。アレルギー性皮膚炎患者は、皮膚の水分、油分、弾力が健常者と比べて低いことがわかった。かゆみを感じるアレルギー性皮膚炎患者は、皮膚のpHおよび汗のpHが健常者よりも高かった。かゆみ成分であるヒスタミンは、最も多いアレルギー性皮膚炎患者で178 ng / mlも含まれていた。ヒスタミンの量は、時季や時間によっても異なるが、見た目の症状が重くかゆみがひどい人はヒスタミンも多く含まれており、ヒスタミン量とかゆみの度合が比例していることがわかった。これらの結果から、アレルギー性皮膚炎患者のかゆみは、汗中に含まれるヒスタミンが原因であることがわかった。また、かゆみを感じる箇所が首や胸元であることから、衣服に触れて摩擦されるためだと考えられる。綿のような親水性繊維を被服材料に用いると汗を吸水するが、ポリエステルのような疎水性繊維を用いると汗を吸水せずに衣服が汗と摩擦されてさらにかゆみが増すことが考えられる。
抗アレルギー繊維が肌に与える影響を調べた結果、パッチテストでは問題がないことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請どおりの進捗方法で進んでおり、興味深い結果が出ている。
しかし、論文としてまとめるのが遅れている。

今後の研究の推進方策

かゆみ成分であるヒスタミン量は、季節によって汗の中に含まれる量が異なることがわかっている。昨年度は、冬季におこなったため、今年度は夏季に行う予定で実験計画を組んでいる。

次年度使用額が生じた理由

別途研究費が採択されたことと思ったよりも経費が少なくて済んだために、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

季節によるかゆみ成分の違いを調べるために経費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] デンマーク工科大学(デンマーク)

    • 国名
      デンマーク
    • 外国機関名
      デンマーク工科大学
  • [雑誌論文] 皮膚バリア保護的に働く弱酸性ポリエステルを利用した化繊アレルギー原因物質の解明2015

    • 著者名/発表者名
      弘田量二、宇梶百恵
    • 雑誌名

      デサントスポーツ科学

      巻: 36 ページ: 161-167

    • 査読あり
  • [学会発表] 着衣によるアレルギー性皮膚炎の原因と対策に関する一考察2016

    • 著者名/発表者名
      水谷千代美、土田百恵、川之上豊、平野泰宏、梶原莞爾、弘田量二
    • 学会等名
      日本感性工学会春季大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2016-03-26 – 2016-03-27
  • [学会発表] 機能性繊維を使った製品開発2015

    • 著者名/発表者名
      水谷千代美
    • 学会等名
      平成27年度繊維技術講習会Ⅰ
    • 発表場所
      栃木県産業技術センター繊維技術支援センター
    • 年月日
      2015-07-29
    • 招待講演
  • [学会発表] 弱酸性ポリエステルウエアの臭いと消臭効果2015

    • 著者名/発表者名
      土田百恵、水谷千代美、堀川直幹、梶原莞爾
    • 学会等名
      日本繊維製品消費科学会年次大会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2015-06-27 – 2015-06-28
  • [学会発表] 高齢者施設の悪臭に対する消臭抗菌繊維の消臭効果2015

    • 著者名/発表者名
      水谷千代美、矢羽田明美、白井汪芳、高橋勝貞
    • 学会等名
      日本家政学会年次大会
    • 発表場所
      いわて県民情報交流センターアイーナ
    • 年月日
      2015-05-22 – 2015-05-24

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公開日: 2017-01-06  

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