褐変反応は、食品の加工、調理、貯蔵中に普遍的に起こる反応であるが、その反応生成物についての化学的解明は進んでいない。ここでは、褐変反応を分子レベルで明らかにするために、メイラード反応による新規な低分子色素を同定し、また新たな前駆体を同定することにした。その結果、キシロース・リシン系メイラード反応の主要中間体として4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノンを同定した。本物質を加熱しその反応生成物を解析し、メチルグルオキザールやジアセチルなどのジカルボニル化合物を同定した。また、システインとグルコースのメイラード反応系から新規化合物(ピロロチアゾレートと命名)を単離同定した。
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