研究課題
Brd4の活性・発現低下における生活習慣病発症機構を検証するために、成長後のBrd4ヘテロ欠損マウスに高脂肪食を与え、正常マウスと比較した。その結果、高脂肪食を与えたBrd4ヘテロ欠損マウスの内臓脂肪量は、高脂肪食を摂取したWildタイプマウスと比較して顕著に低いこと、顕著な食後高血糖が観察されることが明らかとなった。上記の結果は、Brd4の発現低下は、脂肪細胞への糖の取り込みを低下させることによって、顕著な血糖増加を誘導することを示唆している。ヒトにおいて同様なことが観察されるか調べるために、横断研究を実施した。まず、Brd4ヘテロ欠損マウスのような痩せ型体質について解析するために、BMI<23のほぼ健康な対象者を抽出し、血糖上昇と伴い増大する動脈硬化リスク因子IL-1β濃度と食生活との関連との関連を検証した。その結果IL-1β濃度の増大には、血糖上昇が関連するとともに、脂肪とタンパク質の摂取が正に関連することが明らかとなった。それゆえ、痩せ型の日本人においても、高脂肪食摂取が血糖値やIL-1βの増大と関連することが検証された。さらに、IL-1βは、脂肪細胞におけるBrd4の活性低下による耐糖能異常のバイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。さらに、中鎖脂肪酸は、インスリン抵抗性細胞においてインスリン感受性遺伝子のBrd4が結合する領域(Gene body)のヒストンのアセチル化とそれら遺伝子の発現を増大させることが明らかになった。さらに中鎖脂肪酸は、Brd4ヘテロ欠損マウスの耐糖能異常を改善することが明らかとなった。以上の結果により、Brd4の活性低下は、糖の組織への利用を低下させ、耐糖能異常を誘導する可能性が強いこと、中鎖脂肪酸はBrd4の活性を増大させ耐糖能異常を改善する可能性が明らかとなった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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