研究課題/領域番号 |
26282024
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
奥村 仙示 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 講師 (30322259)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 食生活 / メタボロミクス / カロリー密度(CD) / エネルギー密度(ED) / 日本食 |
研究実績の概要 |
低カロリー密度(CD)/エネルギー密度(ED)食の日本食の食事組成基準に沿った献立の開発を行っている。低CDでも満腹度・満足度の高い食事組成範囲内で、機能性の高い献立を展開をするため、血糖値やインスリン反応の異なる食事が、生体へどのような影響を与えるのか検討することを目的とした。 同じ低グリセミック・インデックス(GI)でも、1.日本食型の繊維や粘性食(納豆、オクラ、長芋等)を含み消化吸収がゆっくりで、低GIのため低インスリンである食事と、2.西洋食型のインスリンを分泌させる脂質や栄養成分(乳清:ホエイ)を含み、高インスリンのため低GIである食事について負荷試験を行った。 血清代謝物の測定は、CE-TOFMSを用いた。血清は、負荷前(0)、負荷後(30、45、60、120、240分)に採取した。 食事の種類によって代謝物の変動に差がみられた。なかでも、ピルビン酸と乳酸については、試験食間の差が大きかった。血糖値上昇が緩やかな粘性食は、ピルビン酸が4時間後も高値を維持した。ホエイを含む西洋型食は、乳酸が45分から60分にかけて、急激に低下を示した。このように、同じ糖質の食事でも、代謝物の変動に違いがみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低カロリー密度(CD)/エネルギー密度(ED)に注目した食事組成に関するサンプリングや解析を、おおむね計画に沿って行えている。 サンプルを測定後は、インフォマティクス解析を行う必要がある。様々なデータベース、ソフトを活用し、文献から意義付けを行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにヒト試験を行い、食生活を改善するような食べ方に関する検討を行ってきた。 今後は、採取したサンプルについて、オミクス解析を推進し意義付けを行っていく予定である。オミクス解析においては、試行錯誤を重ね技術の習得を行っていく。解析方法について問題が生じた際は、共同研究を行っている専門家の指示を受けながら、問題を解決し解析を推進して行く。 また、実践的な食生活に生かすため、献立開発をさらに充実させる。一般の人が、研究成果に基づいた食事を摂取できるような食育活動を、企業と協力し行っていく。 最終年度になるので、研究成果のまとめ、普及や発信を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
サンプルの測定について、共用に試薬を利用できたこともあり、経費が予定より節約できた。
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次年度使用額の使用計画 |
サンプルの測定と詳細な解析、また研究成果の発表や普及に使用する予定である。
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