研究課題
1. 末梢血白血球における高グルコース刺激の履歴が炎症関連遺伝子上に維持されるエピゲノム機構の検討: 24時間の高グルコース刺激を受けたヒト単球様THP-1細胞では、その後、低グルコース環境に置かれて4日後でも、TNFα、IL-1β、S100a9ならびにS100a8の遺伝子発現が高いレベルを維持することが明らかになった。高グルコース刺激を短期間受けた細胞では、TNFα遺伝子のプロモータ領域(-400bp)だけでなく、転写領域(+1000bpおよび+2000bp)においても、ヒストンH3のアセチル化の増大が、低グルコース環境に置かれて4日後でも高いレベルに維持されていた。これらの領域では、ヒストンH3のアセチル化との増大と平行してブロモドメインタンパク質Brd4の結合の増大が見られた。それゆえ、末梢血白血球における高グルコース刺激の履歴は、ヒストンH3のアセチル化とそれに伴う転写伸長因子複合体の形成持続機構を介して、TNF-α遺伝子の発現増大を持続させることが示唆された。2.食後高血糖抑制を目的とした介入試験による炎症関連バイオマーカーの変動:2型糖尿病患者にα-グルコシダーゼ阻害剤を追加投与することによって食事に伴う血糖の振幅を減少させたところ、末梢血白血球におけるTNFα、IL-1βおよびIL-8の遺伝子発現の増大が抑制されるとともに、可溶性細胞接着分子タンパク質であるsE-セレクチンならびにsVCAM-1の有意な低下が見られた。それゆえ、食後高血糖の抑制は、2型糖尿病の発症進展および合併症のリスクを低減させるものと考えられた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Metabolism
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