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2014 年度 実績報告書

トランス・サイエンス問題の解決能力を育成する知識共創型アーギュメンテーション教育

研究課題

研究課題/領域番号 26282036
研究機関神戸大学

研究代表者

坂本 美紀  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90293729)

研究分担者 山口 悦司  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
益川 弘如  静岡大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50367661)
稲垣 成哲  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
西垣 順子  大阪市立大学, 付置研究所, 准教授 (80345769)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード科学リテラシー / アーギュメンテーション / トランス・サイエンス
研究実績の概要

(1)研究資料の収集:アーギュメンテーション・スキル育成に関する科学教育及び関連領域の学術論文と関連図書を収集し,レビューするとともに,社会的意思決定やアーギュメンテーションについての先進的な実践事例に関する資料を収集した.収集した研究資料をデータベース化し,有効活用を目指した.
(2)指導法開発:先行研究のレビューに基づき,知識と思考を駆動させる科学的アーギュメンテーションの教育プログラムのプロトタイプを開発した.
(3)評価法の策定:ライティングとトーキングのアーギュメンテーションの評価課題ならびに分析枠組みと評価ルーブリックを暫定的に策定した.ライティングのアーギュメンテーションは,これまでの成果に基づく仮説的なフレームワークに,(1)の成果を加味し,評価のルーブリックを暫定的に策定した.トーキングのアーギュメンテーションでは,(1)の成果に基づいて既存の分析フレームワークを比較検討し,トランス・サイエンス問題に対する解決策を創出するための討論の分析に特化した枠組みを暫定的に策定した.
(4)中間成果発表:,国際学会EARLI SIG Meeting ,日本発達心理学会,日本理科教育学会において中間成果を発表した.また,平成27年度に開催されるEARLI Biennial Conferencesに投稿し,採択された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した研究目的については,おおむね順調に達成されている.研究資料収集,指導法開発,評価法策定もほぼ予定通りに進めることができている.国際学会や国内学会において中間成果を発表することも達成できている.例えば,研究資料の収集については,アーギュメンテーション・スキル育成に関する科学教育及び関連領域の学術論文と関連図書を収集し,レビューするとともに,社会的意思決定やアーギュメンテーションについての先進的な実践事例に関する資料を収集できた.収集した研究資料をデータベース化することも達成できた.また,指導法開発についても,先行研究のレビューに基づき,知識と思考を駆動させる科学的アーギュメンテーションの教育プログラムのプロトタイプを開発できた.中間成果発表についても同様に,国際学会1件,国内学会2件の発表を達成できている.

今後の研究の推進方策

平成27年度も当初の予定通り,教育プログラム開発,分析枠組みと評価ルーブリックの策定,予備的な実証実験,成果発表を行う.(1)トランス・サイエンス問題を解決する能力の育成を目指し,知識と思考を駆動させる科学的アーギュメンテーションの教育プログラムを開発する.具体的には,地球環境問題が含有するトレードオフ関係の1つをテーマとし,一定時間をかけて意見の対立構造と関連する知識とを深く学んだ上で,トレードオフ関係を踏まえて社会的な意思決定としての解決策を創出するという,協調的な問題解決学習を開発する.(2)ライティングとトーキングのアーギュメンテーションの分析枠組みと評価ルーブリックを策定する.ライティングのアーギュメンテーションは,これまでの成果に基づく仮説的なフレームワークに,前年度の成果を加味して,評価のルーブリックを策定する.トーキングのアーギュメンテーションでは,現在提唱されている分析フレームワークを比較検討し,トランス・サイエンス問題に対する解決策を創出するための討論を分析するのに適した枠組みを策定する.(3)予備的な実証実験を実施する.教育効果に影響する要因の検討も行う.(4)実証実験を反復し,授業デザイン指針の改善および評価枠組みの精緻化を行う.(5)中間成果発表:本研究の理論構築の準備段階としての総説論文,仮説的な理論,予備的な実験授業のデザインと評価等について,年度内に論文化,発表を進める.

次年度使用額が生じた理由

研究成果発表が投稿段階であり,次年度に国際会議へ参加しなければならない.また,次年度においても文献・資料の収集と国内外の事例に関する実地調査を継続的に実施する必要が生じたため.

次年度使用額の使用計画

物品費(図書費など),調査旅費,成果発表旅費,その他(国際会議参加費)等に使用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 児童期の科学的推論における理論と証拠の適合評価:証拠の特性に着目して2015

    • 著者名/発表者名
      坂本美紀・山口悦司・村津啓太・山本智一・神山真一・稲垣成哲
    • 学会等名
      日本発達心理学会第26回大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2015-03-20 – 2015-03-22
  • [学会発表] Instructional design for asking theory-inspired questions.2014

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto, M., Yamaguchi, E., Nakashin, S., Yamamoto, T., Murayama, I., Kamiyama, S., Muratsu, K., & Inagaki, S.
    • 学会等名
      the 2014 joint Special Interest Group Meeting of EARLI SIG 6 (Instructional Design) and SIG 7 (Learning and Instruction with Computers)
    • 発表場所
      Rotterdam, The Netherlands.
    • 年月日
      2014-08-27 – 2014-08-29
  • [学会発表] 科学的な問いの生成を支援する理科授業:面接調査による問いの生成プロセスの分析2014

    • 著者名/発表者名
      坂本美紀・山口悦司・村山功・中新沙紀子・山本智一・神山真一・村津啓太・稲垣成哲
    • 学会等名
      日本理科教育学会全国大会
    • 発表場所
      愛媛大学(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2014-08-23 – 2014-08-24

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公開日: 2016-06-01  

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