研究課題/領域番号 |
26282043
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
仲西 理子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, 技術研究員 (30371727)
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研究分担者 |
桑野 修 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 数理科学・先端技術研究分野, 研究員 (30511969)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 科学教育 / 寒天ゲル / 地震探査実習 / 断層破壊実験 |
研究実績の概要 |
本課題の目的は、一般向けの地震に関する知識の普及や最新の研究成果の情報発信の推進に向けて、動的な現象としての地震像をわかりやすく伝えるために寒天を利用して、地震波伝播や破壊現象を実際目で見て触って実感できる実験実習教材を開発し、その教育的効果を確認することである。 平成27年度は、昨年度に引き続き、地震探査実験装置を誰でも手軽に実行できる教材パッケージの作成のうち、実験データの処理に必要なソフトウェアを整備し、アプリケーション作成を実施した。さらに、普及活動の手段や方法、教育的効果の定量的評価のため、高校生向けの実習を複数の学校に対して実施し、それぞれ、実習前、実習後に理解度や関心度を確認するアンケートを実施し、情報収集した。多様な理解度に適した講義や演習を実現するため、実験・演習方法の改善も実施した。特に、大学の地震学の講義の中の地震探査演習として、寒天実験と野外実験を組み合わせる順序を変えることによる理解度の差異について検証した。一般向けには、代表者、分担者の所属する研究機関の横浜研究所での施設一般公開で、探査技術やシステムの紹介とともに実演を実施するなどの工夫をした。その他、学会・研究会に参加し、開発した教材の展示、教育的効果についての報告、発表および情報収集を行った。寒天ゲルを用いた断層の動的破壊実験については、昨年度実施した予備実験と実演を経て、教材パッケージの作成の具体的検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地震探査演習用の実験装置の教材化は、実験データの解析に使用するGUIアプリケーションの詳細部分の修正が残っている。一方、寒天ゲルを用いた断層の動的破壊実験については、教材化の具体的検討が終了しており、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
地震探査演習用の実験装置の教材化に向けて、GUIアプリケーションを最終調整を実施し、完成させる。同時に、引き続き、実験・実習を実施し、知識普及と情報発信に努めるとともに、教材を使用した発展学習についても検討を進める。 他分野の学会、研究会に参加し開発した教材の発表、および情報収集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
地震探査実習・演習用の実験装置の教材化に際して、必要な処理及び解析ソフトウェアの開発に必要な経費を、初年度に見込んでいたが、業者等に依頼すると多額の費用が発生することが判明したため、協力者を探して自作を試みた。そのため、実験に必要な装置や資料等に余裕を持って使用することができたが、当初大きく見込んでいた開発費としての部分は未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き、当初予定していた実験に必要な装置、資料等に使用するほか、実習・演習の発展のための検討及び実験、実験・演習による教育的効果を確認するための評価方法の検討や集計、論文投稿などに使用予定である。
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